有楽町スバル座

有楽町スバル座の歴史

有楽町スバル座は、東京都千代田区有楽町に位置する映画館で、1946年に「本邦初のロードショー劇場」として開館しました。初日の上映作である『アメリカ交響楽』は、全席指定の高額料金にもかかわらず、入場券はわずか一週間前には完売する人気を誇りました。

1947年の開館以降、スバル座は著名な映画館となり、1953年には火災によって一度焼失しましたが、1966年に2階に再開館し、新たに映画ファンの支持を受けていきました。

その後、1995年には開館50年を記念して『バッドボーイズ』や『デスペラード』などの大ヒット作が上映され、さらに2003年にはチャールズ・チャップリン映画祭として多くの名作が紹介されました。

番組編成の変遷と特長

2005年には、映画館のあり方が変わり、ニュー東宝シネマに改称されることで新しい方向性が見出されました。松竹や東急系作品も上映するようになり、番組編成は自由度を増していきました。そして、65周年を迎える2011年には、名作映画の上映会が開催され、多くの映画ファンが集まりました。

2012年にはデジタル映写システムが導入され、映像技術の進化についていく姿勢を示しました。その一方で、新たな興行形態が必要とされる時代へと突入し、2019年には閉館を発表しました。この経緯は、映画業界全体の動向や施設の老朽化といった要因によるものでした。

最後の上映とその後

閉館前2003年、スバル座は数多くの名作を上映し続け、特に『みとりし』が最後の通常上映作品となりました。最後の特別上映「スバル座の輝き～メモリアル上映～」では、過去の名作たちが再度観客の前に姿を現しました。2019年10月20日、有楽町ビルの竣工から53年の歴史を締めくくり、スバル座は幕を閉じました。

その後、吉本興業によってスバル座跡地は「よしもと有楽町シアター」として新たにオープンしましたが、スバル座の存在は多くの映画ファンにとって特別なものでした。

スバル座の文化的な意義

有楽町スバル座は、シャンテシネ開業前には「ブリキの太鼓」や「ミツバチのささやき」といった独自のラインナップが特徴で、特に大人向けの文芸作品やアート系映画に強みを持っていました。一時期はスヌーピーの映画館としても知られ、特殊な上映形態が評価されました。

現在、272席の座席を持つこの映画館は、単館系配給会社による多様な邦画及び洋画の上映が特徴です。また、大林宣彦監督作品のメイン館としても知られ、『なごり雪』や『この空の花』などの名作が上映されたことでも注目を集めました。

最後に、スバル座では大林監督が現場に訪れ、来場者へのサプライズ舞台挨拶を行ったエピソードも印象的です。これらの歴史を通じて、有楽町スバル座は映画文化の一端を担い、多くの人々に愛され続けた劇場でした。

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