三石城

三石城（みついしじょう）

三石城は、岡山県備前市三石に所在する山城で、岡山県の史跡に指定されています。三石の市街地北部にそびえる標高291mの天王山山頂に位置し、中世の連郭式山城の特徴をよく残しています。

縄張り

城の構造は、山頂の本丸を中心に、一段低い場所に二の丸、さらに一段下がった場所に三の丸が配置されています。三の丸の端には石垣が確認でき、その北側には馬場曲輪があります。馬場曲輪の北には大手門があり、石垣の一部が残っています。本丸の北側には堀切があり、その先には出丸として鶯丸が設けられています。

歴史

太平記によれば、三石城は鎌倉時代末期の1333年、三石保の地頭であった伊東大和二郎が南朝方として天王山に城を築いたのが始まりとされています。伊東大和二郎は、西国から六波羅へ向かう北朝勢に対抗しました。南北朝時代の1336年には、足利尊氏が九州へ敗走する際に、家臣の石橋和義に守備を命じ、新田義貞の追撃を阻止しました。

その後、赤松則祐が備前守護となると、浦上宗隆が守護代として1365年に三石城に入城し、室町時代から戦国時代にかけて浦上氏の居城となりました。

1441年の嘉吉の乱では、赤松満祐が室町幕府6代将軍足利義教を暗殺し、山名持豊（宗全）を主力とする幕府軍によって居城を攻撃され、自害しました。これにより、備前は山名氏の支配下に入りました。1467年の応仁の乱に乗じて、満祐の甥である赤松政則が備前守護となり、浦上則宗も守護代に復帰しました。政則の死後、則宗は養嗣子の赤松義村に家督を相続させ、赤松氏の中で権勢を振るうようになり、赤松家中で対立が深まりました。

則宗から2代後の当主である村宗の時代になると、主家との対立が決定的なものとなります。1519年、村宗は三石城に籠城し、赤松義村は三石城を包囲しました。しかし、浦上勢は包囲軍を打ち破りました。1521年には、義村を幽閉し殺害し、浦上氏は戦国大名としての地位を確立しました。

村宗の嫡子である政宗が本城の室山城主となり、次男の宗景が三石城主となりましたが、宗景は兄との不和から1554年に播磨国境に近い天神山城を築いて移り、三石城は放棄されました。

現在

現在、三石城跡には、本丸、二の丸、三の丸などの遺構が残っており、往時を偲ぶことができます。特に、石垣や堀切などは見応えがあります。山頂からの眺望も素晴らしく、三石の市街地や瀬戸内海の島々を一望できます。

所在地

岡山県備前市三石

アクセス

JR山陽本線三石駅から徒歩約1時間30分

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