三福寺 (四国中央市)

三福寺の魅力

三福寺（さんぷくじ）は、愛媛県四国中央市土居町に位置している寺院で、高野山真言宗に属しています。この寺の本尊は阿弥陀如来であり、四国曼荼羅霊場では第28番札所に指定されています。境内の風格ある庭や歴史的な背景が、多くの信者や観光客を迎え入れています。

護法をなんとかして請い願う人々の心に寄り添うように、嗚呼、私は浄土を望み、般若の声を励みにし、三福が宿ることを信じ続けていますという御詠歌が詠まれています。

概要と歴史

この寺院は弘法大師（こうぼうだいし）が巡錫（じゅんしゃく）していた際に、人々に仏教の教えを伝えたことが起源とされています。人々はその教えに感銘を受け、草庵を建てて礼拝を始めました。そんな信仰心から始まった三福寺は、平安時代末期に本尊の阿弥陀如来が安置され、続いて薬師堂も建設されました。厄除けの神様である薬師如来を信仰する人々が増え、地域の重要な宗教施設として成長しました。

しかし、天正年間には兵火によって寺院が焼失する事態に見舞われましたが、幸運にも本尊は無事であったため、近隣の常徳寺や福泉寺の協力を得て再建されました。これが現在の三福寺の基盤となっています。

現在の境内は、三百年を超える松を中心に、江戸時代中期に造営された庭園が美しく整備されています。この庭園は訪れる人々を魅了し、静かな心を取り戻す場となっています。

境内の特徴

三福寺の境内には、さまざまな建物や記念碑が点在しています。それぞれの場所に込められた思いを感じながら境内を散策することができます。

• - 山門: 参拝者を迎える立派な門で、寺院のシンボルです。
• - 本堂: 阿弥陀如来が祀られており、静かな雰囲気の中でお参りができます。
• - 鐘楼堂: 煩悩を打ち消す鐘の音が静寂をもたらします。
• - 庭園: 江戸時代中期に造営され、300年を超える松を中心にした美しい景観が特色です。
• - 句碑歌碑: 「三福寺福をあたえる彌陀如来」など、信仰を反映した歌の碑が境内に立っています。

特に、「老い松の影をうつせる池水　緋鯉もうきて法の鐘き」という歌碑は、境内の自然との調和を象徴しています。その他にも、飛鶴の松の枝を支える数本の石柱には、歌碑があり、訪れた人々に語り掛けています。

アクセス

活動的な訪問者にとって、三福寺へのアクセスは非常に便利です。鉄道を利用する場合、四国旅客鉄道（JR四国）の予讃線、赤星駅から徒歩約5分の距離にあります。自動車でのアクセスは、松山自動車道の土居インターチェンジから国道11号線を西へ進み、歩道橋の架かる交差点を南へ曲がってすぐのところです。

周辺の札所

三福寺は、新四国曼荼羅霊場の29番札所「明正寺」と27番札所「新長谷寺」に挟まれ、巡礼者たちの重要なルートの一部を形成しています。これにより、参拝を含めた旅がさらに充実したものとなるでしょう。

その深い歴史とともに、多くの人々に愛され続ける三福寺の魅力は尽きることがありません。訪れるたびに新たな発見がある、そんな特別な場所です。

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