三端子レギュレータ

三端子レギュレータについて

三端子レギュレータは、シリーズレギュレータの一種で、電圧を安定化させるために広く利用されている半導体素子です。その特徴は、入力端子（IN）、出力端子（OUT）、グラウンド端子（GNDまたはCOM）の3つの端子を持ち、簡単に定電圧回路を構築できることです。多くの場合、電気製品の電源ユニットに使用されています。機能的にはリニアレギュレータに分類されます。

種類

三端子レギュレータは、出力電圧が固定型と可変型の2種類に分類されます。固定型では、入力端子と出力端子に発振防止用のコンデンサを接続するだけで、脈流を安定化させる回路が構築できます。可変型は、電圧設定用の抵抗器を必要とし、用途によって最適な出力電圧に調整可能です。

使用例

一般的には、直流電源回路でスイッチング電源が主流ですが、三端子レギュレータはスイッチングノイズが存在せず、外部部品が少なくなるため、コストパフォーマンスに優れた選択肢として人気があります。特に、低出力電流の回路や特定のノイズ環境での使用が推奨されます。

製品ラインナップ

代表的な三端子レギュレータには、7800シリーズ（正電圧用）や7900シリーズ（負電圧用）があります。これらはそれぞれ約1Aの出力電流を提供でき、需要に応じてさまざまな出力電圧が選択できます。最近では、3.3Vの出力電圧タイプも登場し、特に低消費電力の応用に向いています。単電源の回路では正電圧型がよく使用され、負電圧型はオペアンプなどを使用して正負2電源を生成する際に役立ちます。

発熱と損失

出力電圧と入力電圧の差異により生じる熱は、三端子レギュレータの性能に影響を与えます。例えば、7800シリーズでは、入力電圧は出力電圧より約1.5V高くなければなりません。出力電流による発熱も考慮し、大電流を取り扱う場合や入力・出力の電圧差が大きい場合には、放熱器の取り付けが必須です。近年では、CMOS技術を活用した低消費電流のモデルも登場しています。

最新技術と歴史

電池の使用が多い携帯電子機器では、低電圧化と低消費電力化が求められ、入出力間の電圧差を1V未満に抑える低損失レギュレータ（LDO）も開発されています。これにより、特定の条件下では、わずか0.3Vの差でも機能するレギュレータが製造されています。歴史的には、1960年代末にナショナルセミコンダクター社によって、初の集積されるモノリシックレギュレータであるLM100が開発され、以来様々な改良が施されています。

端子の配置

一般的な7800シリーズのTO-220型パッケージでは、入力、グラウンド、出力の順に端子が配置されています。ただし、TO-92型では左右が逆ですので注意が必要です。また、7900シリーズではグラウンドが最初に配置されています。製品によって端子の配置が異なる場合があるため、使用する際には必ず各メーカーのデータシートを確認する必要があります。

まとめ

三端子レギュレータは、電圧安定化のための重要な電子部品であり、様々な種類が市場に出回っています。これらのレギュレータはその特性から、特定の用途に最適な選択肢を提供するため、エレクトロニクス業界において欠かせない存在となっています。

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