三草山の戦い

三草山の戦い

三草山の戦いは、平安時代末期の治承・寿永の乱における重要な戦いの一つで、寿永3年（1184年）2月5日、播磨国（現在の兵庫県）の三草山で繰り広げられました。この戦いは、源義経率いる源氏軍と平資盛を中心とする平氏軍の間で行われ、その後の戦局を大きく左右する一因となりました。

戦いの背景

平氏追討の宣旨を受けた源範頼と源義経は、平氏の本拠地である福原（現在の神戸市）を目指して進軍を開始しました。源氏軍は福原を東西から挟み撃ちにする作戦を立て、範頼軍は西国街道を、義経軍は丹波路を進むことになりました。両軍は2月7日を攻撃決行日と定めていました。

平氏軍は、一ノ谷への進軍を阻止するため、平資盛、平有盛、平忠房、平師盛らを三草山の西に配置しました。義経軍は東方に陣を構え、両軍は三里（約12キロメートル）ほどの距離で対峙しました。三草山は丹波との国境に近く、交通の要所であると同時に、険しい山と深い谷に囲まれた軍事的な要衝でした。平氏の荘園であったと見られ、平氏にとっては地の利がある場所でした。

戦いの経過

『平家物語』によると、義経は土肥実平に夜討ちをかけるか、翌日の合戦にするか相談しました。田代冠者信綱は、平氏の軍勢が増える前に夜討ちをかけるべきだと進言し、義経はこれを受け入れ夜討ちを決行しました。源氏軍は民家に火を放ち、夜討ちを仕掛けました。

夜討ちを予想していなかった平氏軍は、武具を解いて休息していたため、源氏軍の奇襲にあわてふためき、抵抗することもできずに敗走しました。資盛、有盛、忠房は高砂から海路で屋島に逃れ、資盛はかろうじて福原の平氏本隊に戻ることができました。

戦いの影響

三草山の戦いは、源氏軍にとって一ノ谷の戦いに向けた重要な前哨戦となりました。この戦いで平氏軍を破ったことで、源氏軍は勢いを増し、一ノ谷の戦いでの勝利につながりました。また、平氏軍にとっては、予期せぬ敗北となり、その後の戦いにおいて大きな影響を与えました。

この戦いは、源義経の奇策と、平氏軍の油断が招いた結果と言えるでしょう。三草山の戦いは、源平合戦の趨勢を大きく左右する重要な戦いであり、その後の歴史に大きな影響を与えました。

参考文献

* 平家物語

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