三菱ふそう・スーパーグレート

三菱ふそう スーパーグレート：大型トラックの進化の歴史

三菱ふそうトラック・バスのスーパーグレートは、1996年の発売以来、日本を代表する大型トラックとして進化を続けてきました。10t級の大型トラックとして高い信頼性と性能を誇り、国内外で幅広く活躍しています。ニュージーランドでは「ショーグン」の名称で販売されていることも特筆すべき点です。

初代スーパーグレート (1996年-2017年)：技術革新の幕開け

1996年、ザ・グレートの後継として初代スーパーグレートが登場しました。KC-F#系として発売された初代モデルは、数々の革新的な技術を搭載していました。日本の大型トラックで初めて、4軸低床車に総輪同径タイヤを採用。これにより、タイヤの種類を統一し、軽量化を実現、コーナリング性能と最小回転半径の向上に繋がりました。また、日本初となるディスチャージヘッドランプの採用も大きな話題となりました。

その後、マイナーチェンジを繰り返し、排出ガス規制への対応や安全性能の向上を図りました。2000年のマイナーチェンジでは運転席エアバッグを標準装備化、ブレーキシステムの改良、スーパーミラーの採用など、安全面への配慮が強化されました。V8エンジン車の導入やショートキャブ車の追加設定など、バリエーションも拡充されました。2003年には三菱ふそうトラック・バスが独立し、製造・販売権も移管されました。

2005年には、環境性能の向上を目指し、V型エンジンを廃止。全車種を平成16年排出ガス規制に適合させました。エクステリアデザインも見直され、スーパーフルキャブの追加など、更なる進化を遂げました。2007年のビッグマイナーチェンジでは、エクステリア・インテリアデザインを一新。日産ディーゼル工業（現UDトラックス）から供給を受けた尿素SCRシステムにより、平成17年排出ガス規制に適合しました。INOMAT-IIの採用や、バンパーライト専用車の登場など、時代のニーズに対応した改良が施されています。

2010年のマイナーチェンジでは、ダイムラーグループ3社共同開発の新型エンジンを搭載し、平成21年排出ガス規制と平成27年度重量車燃費基準を達成。安全装備の充実も図られ、運転注意力モニター、衝突被害軽減ブレーキ、車両挙動安定装置などが標準装備化されました。2014年には、「スーパーグレートV」としてさらに進化。アシンメトリックターボチャージャーの採用、平成27年度重量車燃費基準+5%達成、アイドリングストップ機構の標準装備など、燃費性能と環境性能の大幅な向上が図られました。

2代目スーパーグレート (2017年- )：安全性能と快適性の向上

2017年、21年ぶりのフルモデルチェンジで登場した2代目スーパーグレートは、安全性能と快適性を大幅に向上させました。平成28年排出ガス規制に対応した新型エンジンと12段機械式自動変速機「ShiftPilot」を搭載。ドライバーの安全を支援する「アクティブ・アテンション・アシスタント」や「アクティブ・サイドガード・アシスト」などの先進安全機能が標準装備となりました。

エクステリアデザインは一新され、LEDヘッドライトの採用や、パフォーマンスパッケージによるサイドスカートの装着など、スタイリッシュなデザインとなっています。スマートキーやプッシュスタートシステムなどの快適装備も充実しています。当初はAT車のみでしたが、物流事業者からの要望を受け、MT車も追加設定されました。

3代目スーパーグレート (2023年- )：新たな時代の幕開け

2023年10月、6年ぶりのフルモデルチェンジとなる3代目スーパーグレートが発表されました。ジャパンモビリティショー2023でワールドプレミアされた3代目モデルは、さらなる進化を遂げ、安全性、環境性能、快適性をより一層高めたモデルとなっています。具体的な仕様については、情報公開を待ちたいと思います。

バリエーションとグレード

スーパーグレートは、FU、FS、FP、FV、FT、FY、FR、FW、FXといった様々な車軸構成のバリエーションと、エコ・ライン、プロ・ライン、プレミアム・ライン、エグゼクティブ・ラインといったグレードを用意。用途やニーズに合わせて最適なモデルを選択できます。キャビンも標準キャブ、ハイルーフ、スーパーマルチルーフなど、多様な選択肢が用意されています。

搭載エンジン

スーパーグレートには、直列6気筒、V型8気筒、V型10気筒など、様々な排気量のエンジンが搭載されています。6D系、6M系、6R系、DC系、M2系など、多くのエンジンが搭載されてきた歴史があります。それぞれのエンジンは、時代のニーズに合わせて、出力や燃費性能、環境性能を向上させてきました。

モータースポーツへの参戦

1998年のパリ・ダカールラリーでは、アシスタントトラックとしてスーパーグレートが参加。過酷なラリーをサポートする役割を果たしました。

まとめ

スーパーグレートは、常に時代のニーズを先取りし、技術革新を続けてきた大型トラックです。これからも、安全性能、環境性能、快適性を追求し、進化を続けることでしょう。

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