三菱・エメロード

エメロード（EMERAUDE）について

エメロードは、1992年から1996年にかけて三菱自動車が製造・販売していた4ドアハードトップ（クーペ型）の普通乗用車です。ギャランをベースにしたこのモデルは、豪華なデザインと性能を兼ね備えつつ、販売は厳しい状況を迎えました。以下にエメロードの概要、歴史、ボディカラー、販売店について詳しく説明します。

概要

エメロードは、全幅1730mmの3ナンバーボディを採用し、グリル一体型のマルチリフレクターヘッドライトや曲面を多用したデザインが特徴です。ラインナップには、1.8L、2.0L、そしてDOHC2.0LのV6エンジンが揃っており、当時のハイソカーブームの中で設計されたため、内装の豪華さやシートの質感も高い評価を得ました。しかし、4ドアクーペとしての特性から後部座席の窮屈さが際立ち、他の競合と比較すると販売面では厳しい状況に置かれました。特にトヨタ・カリーナEDといった他のモデルとの競争が影を落とし、エメロードの販売は伸び悩みました。

発売当初は国内専用モデルとされていましたが、販売不振の影響を受け、右ハンドル地域である香港やタイ、マレーシア、シンガポールなどでも販売されたものの、日本版と同様の仕様となっていました。最終的に1995年には、捜査用覆面パトカーとして全国的に導入されることとなりました。

歴史

エメロードは1992年10月にギャランの4ドアハードトップモデルとして市場に登場しました。続いて1994年には特別仕様車「SUPER TOURING R-SPECIAL」が追加され、スーパーツーリングをベースにしたフルエアロモデルが展開されました。ただし、この特別仕様ではエアコンがフルオートからマニュアルに変更され、若干のダウングレードが見られました。

同年の2月には一部改良が行われ、MIVECエンジン搭載モデルのSUPER TOURING-Rが追加されました。さらに、5月には「スーパーツーリングスペシャル」というモデルが追加され、V6 1800ccにスーパーツーリングが搭載されるなど、多彩な仕様が用意されました。

1994年10月にはマイナーチェンジが実施され、後期型ではフロントバンパーがエテルナと共通のものに変更されました。また、同時に使われるグレードが見直され、コスト削減の影響を受けた内装の装備品や素材にも変更が加えられました。1995年10月には運転席エアバッグが全車に標準装備され、改良が施されましたが、1996年8月にはギャランのフルモデルチェンジによる車種整理が行われ、エメロードは販売終了となりました。生産台数は1万9214台に達しています。

ボディカラー

エメロードのボディカラーはその時期によって変化しており、1992年から1994年にかけてはオパールホワイトパールやエメロードグリーンパールなど、数種類が設定されました。

延いては1995年から1996年にかけて新たに追加された色合いも多く、サテライトシルバーメタリックやムーンライトブルーパールなど、エメロード独自の魅力を与えていました。

販売店

エメロードは、三菱自動車の販売網の中で、ギャラン店やカープラザ店を通じて広く展開されました。

車名の由来

この車名はフランス語の「エメラルド」を意味しており、三菱・ディアマンテからの影響を受けた命名であることが特徴的です。

エメロードは一時代を築いたモデルですが、同時に市場の変化に翻弄される運命を辿りました。そのデザインと性能は今なお自動車ファンの記憶に残る存在です。

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