三菱・コルト800

コルト800の詳細

コルト800 (COLT 800)は、三菱重工業によって製造された乗用車で、1965年に登場しました。本モデルは、三菱500やコルト600に続く上級モデルとして位置づけられ、当時の大衆車市場をターゲットとして開発されました。岡山県の水島製作所で生産され、特にそのデザインが注目されました。

外観とデザイン

コルト800の最大の特徴は、日本初のファストバックセダンであることです。このスタイルは、トヨタのコロナと同時期に登場し、当時のデザインのトレンドを反映していました。特に注目すべきは、サイドウインドウにカーブドグラスを採用している点で、デザインは工業デザイナーの金子徳次郎によるものでした。この独特なフォルムは、当時の他のモデルと比べて革新的でした。

コルト800は、1965年に登場したものの、2ストロークエンジンを搭載していたため、白煙の排気ガスが多く、販売不振に苦しむことになりました。これに対処するため、後にコルト1000の4サイクルエンジンが搭載され、ハッチバックモデルも追加されましたが、トヨタ・カローラや日産・サニーといった競合に対抗することはできず、1971年にその生産が終了しました。

技術的な仕様

コルト800はフロントエンジン・リアドライブ方式を採用し、843ccの2サイクル水冷直列3気筒エンジンを搭載していました。このエンジンは最高出力45PSを発揮し、スムースな回転特性が特徴でしたが、実用性では一般的な4サイクルエンジンには及びませんでした。駆動方式は、三菱500やコルト600のRR方式ではなく、ミニカでも使われていたFR方式を採用していました。

サスペンションは前輪にダブルウィシュボーンと横置きリーフスプリング、後輪にはリジッドアクスルとリーフスプリングを用いるという平凡な 구성がされていました。これにより、日常的な運転においては十分な性能を発揮しました。コルト800は、当時の小型乗用車市場において数少ない3気筒エンジンを搭載したモデルであり、個性的な魅力を持っていました。

モデルの進化

コルト800の展開は多様で、1966年には1000ccモデルのコルト1000Fが追加され、続いてハッチバック機構を持つ3ドアセダンや4ドアセダンもラインアップに加えられました。1968年には1100Fスーパースポーツが登場し、販売戦略を強化しました。

その後、1970年には製造が三菱自動車工業に移管され、販売は1971年に終了しました。コルト800は合計で約17万6326台が生産され、長い歴史の中で国際ラリーにも参加した実績を持つモデルです。

まとめ

最終的に、コルト800は日本の自動車史の中で重要な役割を果たしました。コルト800の大胆なスタイルと技術革新は、多くの自動車愛好家や歴史家により賛美されています。特に、後継車として1973年に登場するランサーへと続く流れを生み出しました。コルト800は、その特異なデザインとエンジン技術により、現在でも多くの人々に記憶されています。

もう一度検索