三菱・トッポとは？意味をやさしく解説

トッポ（Toppo）について

トッポ（Toppo）は、かつて三菱自動車工業が製造・販売していた軽トールワゴンであり、シリーズの中で4代目のモデルです。この車は2008年 9月17日に市場に登場し、軽トールワゴンカテゴリーでの競争力を再び高める役割を果たしました。前モデルであるトッポBJの生産終了から約4年ぶりの復活を遂げたトッポは、当時の三菱自動車の限られた資金の中で新しい車両をデザインすることが求められていました。

競合と市場の背景

当時、スズキのワゴンRやホンダのライフのモデルチェンジが進行しており、三菱も新たな選択肢を提供する必要がありました。また、前モデルのユーザーに対抗する意味でも新しいトッポの登場は重要視されていました。これらの状況を受けて、eKスポーツのプラットフォームを用い、トッポBJの外板デザインを組み合わせたため、コストを抑えつつも安全性や剛性を高めた設計が可能でした。

特徴と性能

トッポでは約60パーセントのパーツが他のモデルから流用されていますが、安全性や静粛性、ボディ剛性は各部の設計見直しによって向上しています。旋回安定性を追求し、7インチの大画面を搭載したナビゲーションシステムや、夜間の防犯性能を高めるキーレスエントリーを採用するなど、特に女性ユーザーに配慮した装備が充実しています。

2008年の販売当初には、日本の女優・宮崎あおいが広告キャラクターを担当し、CMでも彼女がトッポの特長をPRしました。エンジンは従来の3G83型が使用されており、燃費性能の向上が図られています。FFのNAモデル（AT）では、燃費は約18.2～18.8km/L、4WDモデルでも約17.2～18.0km/Lと、エコ性能にも優れています。

デザインとインテリア

デザイン面では、前後のサイドドアアウターパネルやルーフパネルはトッポBJから流用。一方、フロント及びリアエクステリアは新たに設計され、トッポの独自性を主張しています。ボディカラーは全8色が展開され、可愛らしさが際立つルックスが魅力です。

内部空間は軽自動車特有の制約を克服し、広々とした室内高1,430mmを実現。窓も広域に配置され、オープン感を演出しています。また、UV＆ヒートプロテクトガラスなど、快適性を意識した機能も盛り込まれています。シートはフロントがeKベース、リヤがトッポBJベースとなっており、乗り心地と安全性を意識した設計です。

モデルの進化

その後、いくつもの特別仕様車が発売され、ユーザーのニーズに応えました。特に、ナビゲーションやオーディオにこだわった「M-Navi Edition」や特別のメンテナンスパッケージがついた「Joy Field」モデルなどが人気を集めました。さらに、2010年にはメーターパネルの改良やデジタルスピードメーターの装備など、機能面でも進化を続けました。

車名の由来

トッポ（Toppo）という名称は、イタリア語の「ネズミ（topo）」に由来し、同時に英語の「top」や日本語の「ノッポ」を連想させる言葉で、高さを可愛らしく表現しています。また、ローデスト（ROADEST）というエアロバージョンは、スタイリッシュで走行性の良い上級モデルをイメージし、「Road」と「est」を組み合わせたネーミングです。

終焉と後継モデル

2013年6月にトッポは製造が終了し、その後はeKスペースが後継モデルとして登場しました。トッポの人気は高く、軽自動車市場における手頃な選択肢として記憶されています。

三菱・トッポ