三菱・パジェロイオ

パジェロイオ (PAJERO io) の概要

パジェロイオは、三菱自動車工業が生産した小型SUVで、そのシリーズは1998年にデビューしました。このモデルは、先代のパジェロジュニアの後を受け継ぎ、新しく設計されたもので、パジェロミニとは異なり、シャシーとボディは専用に開発されています。最初に投入されたのは3ドアモデルでしたが、わずか2ヶ月後には5ドアモデルも登場し、多彩な選択肢を提供しました。また、FR仕様もラインナップに加えられましたが、2002年のマイナーチェンジにより、すべてのモデルが4WDの5ドア仕様に統一されました。

4WDシステムと技術

パジェロイオには、独自の「スーパーセレクト4WD-i」という4WDシステムが搭載され、多様な走行モードを選ぶことができます。具体的には、後輪駆動の2WD、ビスカス式を用いた前輪駆動の4WD、センターロックの4WD（ハイギヤーおよびローギヤー）などがあり、さまざまな路面状況に対応可能です。このシステムは、先代のジュニアとは異なる構造を有し、より柔軟な運転を実現しています。

欧州およびその他の地域での展開

パジェロイオは、欧州市場向けには、イタリアのデザイン会社ピニンファリーナが生産を担当し、その影響で日本市場にも「ソレント」という特別なグレードがラインナップされました。海外では、パジェロピニンや、北米ではモンテロイオ、スペイン語圏ではショーグンピニン、さらにブラジルではパジェロTR4と異なる名称で販売されてきました。ブラジルではパジェロの生産が2014年まで続けられました。

モデルの進化と販売の経緯

初版のモデルは1998年6月に発表され、1.8L DOHCエンジンと4速ATを備え、多様なグレードが用意されました。その後、5ドアモデルや特別仕様車の追加など、数々のマイナーチェンジが行われ、ラインナップが充実していきました。たとえば、2000年には2L DOHCエンジンへの変更や外観のデザイン改良が行われ、2002年の改良では3ドアモデルとFRモデルが廃止され、5ドアの4WDモデルのみに集約されました。こうした進化を遂げたパジェロイオは、その後も人気を維持し、2007年に日本国内の生産が終了するまでに累計販売台数は約17万台に達しました。

市場での位置づけと受容

パジェロイオは特に都市部での取り回しの良さと、SUVとしての頼もしさを兼ね備えたモデルとして多くの支持を集めました。特に5ドア仕様はファミリーカーとしても人気があり、実用性と快適性が両立したデザインが評価されました。さらに、特別仕様車や各種のカスタマイズオプションも豊富に用意され、ユーザーのニーズに応える形でラインナップが拡充されました。

車名の由来

「パジェロ」という名前は、南米のパタゴニア地方に生息するヤマネコであるパジェロキャット（別名パンパスキャット）に由来しています。また、「io」はイタリア語で「私」を意味し、親しみやすい車としての位置づけも示唆しています。このように、パジェロイオは単なる移動手段を超え、ドライバーとの関係性を重視した名称がつけられています。

パジェロイオは、オフロード性能と都市での使いやすさの両立を目指したSUVとして、今もなお、多くの愛好者に親しまれています。

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