三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所

三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所の概要

三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所（通称名航）は、愛知県名古屋に位置し、航空機や宇宙機器の設計・製造・修理を行う重要な工場です。1920年に設立されたこの施設の歴史は深く、元々は三菱内燃機製造株式会社名古屋工場として始まり、長い歳月を経て現在の姿になりました。具体的には、航空機部品の生産や、戦闘機やヘリコプターの製造・修理、さらには航空機及びロケットの組み立て作業を担っています。

名古屋航空宇宙システム製作所は、航空宇宙事業本部の重要な拠点の一つであり、名古屋誘導推進システム製作所と連携しながら、先端技術を駆使した製品を生み出しています。また、2017年に設立された「MRJミュージアム」では、航空機の歴史や製造プロセスについての展示が行われ、多くの来場者を惹きつけました。しかし、2023年には開発中止が発表され、閉館となりました。

沿革

名航の歴史は1920年に遡ります。当初は内燃機製造に特化した工場でしたが、次第に航空機製造へと移行しました。1928年には名称を三菱航空機株式会社名古屋工場に変更し、1934年には名古屋航空機製作所と改称されました。第二次世界大戦中は様々な軍用機が生産され、その後の戦後も航空機製造に注力してきました。1989年には現在の名古屋航空宇宙システム製作所という名称になり、時代のニーズに対応した変化を遂げています。

名航は数々の重要な製品を手がけており、例えば、かつては旧日本陸軍や日本海軍の航空機の製造にも関与していました。現在は防衛省向けのヘリコプターや固定翼機、さらに民間機の生産も行っています。

主要製品

名古屋航空宇宙システム製作所では、戦闘機やヘリコプター、輸送機などが主要な製品として挙げられます。特に、F-35やF-15といった防衛省向けの高性能戦闘機は国内外で高く評価されています。また、航空機部品の製造にも力を入れており、ボーイングやエアバスといった国際的な航空機メーカーとの共同開発も行っています。

最近の動向

近年、最新の複合材料を利用した航空機の設計生産を行っており、環境適応型の高性能小型航空機「Mitsubishi SpaceJet」も開発されていましたが、残念ながら開発中止が発表されました。その後、関連する展示施設「MRJミュージアム」も閉館となり、名航は新たなスタートを切る必要に迫られています。

工場と関連事業

名古屋航空宇宙システム製作所は、広範な敷地を持ち、複数の工場が連携して運営されています。大江工場では航空宇宙の部品製造を行い、飛島工場では宇宙機器の製作や一部組み立て作業が行われています。小牧南工場は、航空機の最終組立や修理を行う拠点であり、訪問者に向けた史料室も設置されています。

このように、三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所は長い歴史と多彩な技術を背景に、航空機および宇宙産業における重要な役割を果たしている事業所であり、今後の展開にも注目です。

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