三輪崎駅

三輪崎駅：紀勢本線の歴史を刻む駅

三輪崎駅は、和歌山県新宮市に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）紀勢本線（きのくに線）の駅です。熊野灘に面した三輪崎地区の北端にあり、かつては漁港として栄えた町の玄関口として重要な役割を担ってきました。

歴史：大正時代からの軌跡

1912年、新宮鉄道の開通に伴い、勝浦駅（現在の紀伊勝浦駅）までの区間が開業し、三輪崎駅は終着駅として誕生しました。「みわざき」と読みがなされていた駅名は、1934年の国有化と同時に現在の「みわさき」へと変更されています。その後、新宮駅方面への路線延伸や、新線への切り替えなど、幾多の変遷を経てきました。1985年には無人駅となり、現在の駅舎は1986年に竣工しました。2021年にはICOCAが利用可能となり、利便性が向上しています。

主要な出来事

1912年12月4日: 新宮鉄道により開業（勝浦駅まで）。
1913年3月1日: 新宮駅への延伸開業により途中駅となる。
1934年7月1日: 国有化、駅名読み方の変更、鉄道省紀勢中線の駅となる。
1938年5月20日: 紀勢中線新宮～三輪崎間の新線開通に伴い旧線廃止。
1940年8月8日: 紀勢中線が紀勢西線に編入。
1959年7月15日: 紀勢西線が紀勢本線に編入。
1962年2月1日: 貨物取扱廃止。
1978年4月1日: 荷物扱い廃止。
1985年3月14日: 無人駅化。
1986年3月: 現駅舎竣工。
1987年4月1日: JR西日本へ移管。
2021年3月13日: ICOCA利用開始。

駅構造：相対式ホームの無人駅

三輪崎駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、列車交換が可能です。駅舎は紀伊田辺方面行ホーム側にあり、両ホームは跨線橋で連絡しています。新宮駅が管理する無人駅で、待合所やトイレが設置されています。かつては自動券売機も設置されていましたが、老朽化のため撤去されました。ICOCA対応の改札機が設置され、利便性が向上しています。

駅周辺：三輪崎の町並みと豊かな自然

駅周辺は、かつて三輪崎港を中心に栄えた漁港の町で、現在もその歴史を感じさせる街並みが残っています。駅舎からほど近い熊野灘の美しい海岸線や、高野坂（世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道）といった自然豊かな環境も魅力です。駅周辺には、三輪崎支所、郵便局、交番、小学校、中学校などの公共施設や、三輪崎海水浴場などの観光施設もあります。

アクセス：バス路線と国道42号

駅周辺には、熊野御坊南海バスの新勝線が運行しており、新宮駅や紀伊勝浦駅方面へのアクセスが容易です。バス停は、国道42号と旧道にそれぞれ設置されています。国道42号は、駅の裏手に位置しています。

隣の駅

新宮駅
紀伊佐野駅

三輪崎駅は、紀勢本線の歴史と、三輪崎の町の活気を繋ぐ、重要な拠点となっています。

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