三輪芳朗

三輪芳朗の経歴と業績

三輪芳朗（みわ よしろう、1948年生まれ）は、日本を代表する経済学者であり、特に産業組織論、規制、コーポレートガバナンスの分野で広く知られています。愛知県に生まれ、愛知県立旭丘高等学校を卒業後、1970年に東京大学経済学部を卒業しました。その後、大学院での学びを経て1976年に博士課程を単位取得退学し、1991年に経済学博士の学位を取得しました。この際の学位論文は「日本の企業と産業組織」というタイトルでした。

学問のキャリアは、信州大学経済学部で講師や助教授として始まり、その後東京大学経済学部に移り、1986年から1996年まで助教授、教授として在籍しました。1996年以降は東京大学大学院経済学研究科の教授として活躍しました。2012年には定年退職し、その後大阪学院大学の教授として教鞭を執っています。

莫大な業績と功績

三輪はその学問的な功績により、2007年には第23回大平正芳記念賞をJ・マーク・ラムザイヤーと共に受賞しました。また、1995年から1997年にかけては、行政改革委員会の規制緩和小委員会で委員を務め、規制緩和と再販制度の廃止を強く主張しました。この立場を巡って、日本新聞協会の渡邉恒雄と激しい対立があり、彼は国会で「三悪人」として糾弾されることもありました。

さらに、2016年には山本幸三地方創生担当大臣の大臣補佐官に任命され、経済統計の見直しに関する施策を担当しました。

主な著書と出版物

三輪芳朗は学者として多くの著作を持っており、単著、共著、共編のいずれも含めて様々なテーマに取り組んでいます。主な著書には、1982年発刊の『独禁法の経済学』、1990年の『日本の企業と産業組織』、1991年の『日本の取引慣行――流通と消費者の利益』、および1997年の『規制緩和は悪夢ですか』などがあります。これらの著作は経済学の深い理解を提供するだけでなく、日本の経済に対する重要な視点をも提供しています。

また、三輪とラムザイヤーによって共著された『経済学の使い方――実証的日本経済論入門』などは、経済学の理解を助けるための実践的アプローチとして評価されています。彼の著作は、産業政策や日本経済の誤解についての洞察も与えており、多くの経済学者や政策立案者に影響を与えています。

教育と未来への影響

三輪芳朗は、教育者としても非常に重要な役割を果たしており、多くの学生に経済学を教えてきました。彼の教育は理論的な枠組みに基づきながらも、実際の経済政策や産業の動きに即したリアルな視点を提供しています。こうした知識は、学生たちが経済学的な思考を身につける手助けとなっています。

今後も、三輪の研究や教育の成果が日本の経済学の発展に寄与することが期待されています。

もう一度検索