三重県立尾鷲工業高等学校

三重県立尾鷲工業高等学校

三重県立尾鷲工業高等学校（みえけんりつおわせこうぎょうこうとうがっこう）は、かつて三重県尾鷲市に設置されていた公立の工業高等学校です。

高度経済成長期にあたり、増加する中学生の受け皿として、また地域の産業振興に寄与する工業教育への期待が高まる中、尾鷲市民からの強い要望に応える形で設立構想が進められました。

沿革

1962年（昭和37年）12月: 尾鷲市当局による工業高校建設構想が策定され、三重県がこれを承認。
1962年（昭和37年）12月18日: 「三重県立尾鷲工業高等学校」の設置と翌年度の生徒募集が発表される。機械科、電気科、工業化学科、電子科の計4学科を設置。
1963年（昭和38年）4月1日: 三重県立尾鷲工業高等学校が開校。開校当初は校舎が未完成だったため、尾鷲市立尾鷲中学校の校舎の一部を間借りして授業を開始。
1963年（昭和38年）10月25日: 尾鷲市が墓地公園整備のために取得していた土地を校地とすることが決定し、本校舎の建設が始まる。
1964年（昭和39年）9月1日: 校舎建築の第一期工事が竣工。その後も工事は進められ、1966年（昭和41年）度までに学校に必要なすべての設備が整えられました。建設費を含む諸経費の総額は3億345万円に上りました。
2001年（平成13年）3月: この年度をもって生徒の募集を停止。
2003年（平成15年）3月1日: 第38回卒業式が挙行され、同時に閉校式が執り行われました。同日をもって三重県立尾鷲高等学校に統合され、40年の歴史に幕を下ろしました。閉校後の事務手続き等は、統合先の尾鷲高等学校が引き継いでいます。

設置学科の変遷

時代の変化や産業構造の変化に合わせて、設置学科は何度か再編されました。

開校時（昭和38年度入学～）: 機械科、電気科、電子科、工業化学科の4学科体制でスタートしました。これらの学科は、機械科と工業化学科が平成7年度入学まで、電気科と電子科が平成6年度入学まで存続しました。
平成7年度入学: 電気科と電子科が再編され、電気・電子科が新設されました。
平成8年度入学～: 従来の学科を改編し、機械設備システム科、電気情報システム科、環境システム科の3学科体制となりました。ただし、環境システム科は平成9年度入学まで、電気情報システム科も平成9年度入学までで一旦募集を停止しました。
平成10年度入学～平成11年度入学: 環境電気情報システム科が設置されました。
平成12年度入学～: 電気情報システム科が再び設置されました。

これらの学科を通して、地域産業を支える技術者やスペシャリストの育成に貢献しました。

所在地および跡地

本校は、三重県尾鷲市光ヶ丘28-61に所在していました。

閉校後、その敷地と校舎は三重県立尾鷲高等学校の光ヶ丘校舎として利用されました。現在は、三重県立特別支援学校東紀州くろしお学園のおわせ分校がこの地に設置されています。

交通アクセス

JR紀勢本線尾鷲駅より、徒歩で約25分程度の距離にありました。

主な出身者

著名な卒業生として、陸上競技の三段跳選手として活躍し、筑波大学やNECに所属した山下訓史氏がいます。

参考文献

三重県尾鷲市役所 編『尾鷲市史 下巻』(昭和46年5月3日発行)

関連項目

三重県高等学校の廃校一覧
日本の工業高等学校一覧
三重県立尾鷲高等学校

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