上之郷利昭

上之郷利昭：時代を映すジャーナリスト、ノンフィクション作家

上之郷利昭（かみのごう としあき）は、1936年11月3日に生まれ、2006年9月16日に没した、昭和から平成にかけて活躍したジャーナリスト、ノンフィクション作家です。三重県出身であり、明治学院大学を卒業後、英国ロイター通信社や東京新聞（中日新聞社）社会部記者として、そのキャリアをスタートさせました。

ジャーナリストとしての足跡

上之郷氏は、ロイター通信社と東京新聞の記者時代に、約2年にわたり世界各国で取材活動を行いました。この経験が、彼のジャーナリストとしての視点と、国際的な視野を養う上で大きな影響を与えたことは想像に難くありません。1977年からはフリーランスとして独立し、幅広い分野にわたる執筆活動を展開しました。

多岐にわたる著作群

上之郷氏の著作は、経済、政治、社会、企業、人物評伝など、多岐にわたるテーマを扱っています。その著書リストを見ると、時代の変化を敏感に捉え、社会の様々な側面を深く掘り下げていたことがわかります。

• - 企業経営や経済に関する著作：『なぜ海外に進出するか 日本企業の意見と実像』『西武王国 堤一族の血と野望』『読売王国 世界一の情報集団の野望』など、当時の経済状況や企業戦略を分析した作品が多数あります。
• - 政治や社会に関する著作：『社会党葬送行進曲』『日本の憂鬱 ニッポンを狂わせているのは何か』など、政治や社会の動向を鋭く批判・分析した作品も手がけています。
• - 人物評伝：『川上哲治と長島茂雄の虚像と実像』『総理を叱る男 土光敏夫の闘い』『本田宗一郎の育てられ方』など、著名な人物の生き方や哲学に迫る作品も多く、リーダーシップや人材育成に関心があったことが伺えます。

これらの著作群は、単なる記録に留まらず、時代を映し出す鏡として、また、現代社会を読み解くための貴重な資料として、今もなおその価値を失っていません。

その死と遺産

上之郷利昭氏は、2006年9月16日午後7時58分、進行胃癌のため東京都板橋区の病院で亡くなりました。享年69歳でした。

彼の残した著作は、ジャーナリスト、ノンフィクション作家としての才能を示すとともに、激動の時代を生き抜いた人々の記録として、後世に語り継がれることでしょう。上之郷氏の作品は、現代社会を理解するための羅針盤として、これからも多くの読者に読み継がれていくはずです。

上之郷利昭は、時代の変化を敏感に捉え、社会の様々な側面を深く掘り下げたジャーナリストであり、ノンフィクション作家でした。その多岐にわたる著作は、現代社会を理解するための貴重な資料として、今もなおその価値を失っていません。

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