上今井橋

上今井橋（かみいまいばし）

上今井橋は、長野県中野市上今井に位置し、千曲川に架かる長野県道505号三水中野線の一部を担うトラス橋です。地域の交通を支える重要な役割を果たしています。

現橋の概要

現在の上今井橋は、鋼製のトラス橋で構成されています。

形式: 鋼1径間下路RC床版単純ワーレントラス橋と鋼3径間下路RC床版連続ワーレントラス橋の組み合わせ。
活荷重: 1等橋（TL-20）に対応。
支間割: 60.6m + (3 × 68.000m)。
幅員: 9.750mで、車道は7.250m、歩道は2.000m。
施工: 住友重機械工業、日本車輌製造、松尾橋梁（連続トラス部）、横河橋梁製作所（単純トラス部）が担当。
架設工法: 自走クレーンベント工法、片持ち工法（連続トラス部）、横取り工法（単純トラス部）を採用。

吊橋時代の旧橋

以前は吊橋が架かっていました。

形式: 2径間連続木床版鋼トラス補剛吊橋。
活荷重: 5t。
橋長: 210.0m。
支間割: 141m + 69m。
幅員: 3.6m。
施工: 櫻田機械工業（上部工）、坂井組（下部工）が担当。

歴史

上今井橋の歴史は古く、1870年（明治3年）に神通川の舟橋を参考にして舟橋が架けられたのが始まりです。千曲川の瀬替えに伴い、渡し船から舟橋に変わりました。当初は川幅が狭かったため3隻の船で足りていましたが、川幅が広がるにつれて船の数が増え、1902年（明治35年）には35隻にまでなりました。

その後、洪水の際の不便さを解消するため、1923年（大正12年）に幅2mの木橋が架設されました。しかし、この橋は1945年（昭和20年）10月6日に流失。仮橋を経て、1946年（昭和21年）6月に再び木橋が架けられました。

戦後の1950年（昭和25年）には鉄骨による吊橋の建設が始まり、1952年（昭和27年）5月12日に開通しました。総工費3000万円を要したこの橋は、当時県下一と称えられましたが、その後の交通量の増加と橋の老朽化により、信号機を設置して交通整理を行う必要がありました。

交通の不便さを訴える地域住民の声を受け、抜本的な対策として現橋の上流側に新しい橋を架けることになり、1980年度（昭和55年度）に着工、10億円を費やして1985年（昭和60年）に橋長225.5m、有効幅員9.25mのトラス橋が完成しました。さらに、1994年（平成6年）には起点方の単純合成鈑桁（支間長20m）を撤去し、単純下路トラス桁（支間長60.6m）に架け替えられました。

上今井橋は、右岸において千曲川の旧河道の河道敷内に位置しているため、道路が嵩上げされていません。そのため、千曲川が増水すると冠水することがあり、2015年度（平成27年度）から拡幅・嵩上げ工事が進められています。

外部リンク

長野県北信建設事務所
空から眺める千曲川・犀川 千曲川下流 - 国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所

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