上吉田駅

上吉田駅に関する詳細

上吉田駅（かみよしだえき）は、かつて静岡県榛原郡吉田町片岡に位置した静岡鉄道駿遠線の駅です。過去の歴史と現在の状況を振り返りながら、その変遷を見ていきたいと思います。

駅の特徴と当時の様子

上吉田駅は、住吉と片岡の両集落の境界近くに設置されていました。その西側には広大な水田、通称「吉田たんぼ」が広がっており、東側には国道150号線沿いの商店街が発展していました。特に、国道150号の片岡交差点近くには静鉄バスの停留所があり、各方面への交通アクセスが良好でした。具体的には、上り便は静岡、焼津、藤枝、島田方面へ、下り便は吉田町の沿岸部や相良、御前崎方面への乗り換えが可能でした。

当駅は、臨時快速を除くほぼ全ての列車が停車し、特に朝晩には通勤・通学の利用者で賑わいました。また、その立地から貨物輸送も盛んで、近隣の住吉漁港や養鰻業が活発だったため、新鮮な魚介類が頻繁に出荷されていました。これにより、上吉田駅は地域経済にも重要な役割を果たしていました。

現在の様子

時が経つにつれ、上吉田駅の駅舎はなくなり、跡地は道路と公園に変わりました。公園内には、駅名標をモチーフにしたモニュメントが設置されており、その名残を伝えています。このエリアの商店街は、国道150号の拡幅工事と郊外型店舗の進出によって衰退し、今では閑静な住宅街へと姿を変えています。

駅南側には、2004年に「吉田町役場」と改名された静鉄バス上吉田停留所が設けられ、この停留所は藤枝相良線や特急静岡相良線の停車駅となっています。このため、静岡市方面への通勤や通学を目的とした利用者が多く訪れています。

また、駅の東側には片岡停留所も残っているものの、商店街の消滅によって路線が再編成され、現在は主に島田方面のみに停車しています。それに対し、駅の北側には片岡北特別支援学校（旧吉田高校前）と接続した新たな停留所が設けられており、ここからは静岡、藤枝、島田方面へのバス便が利用可能です。自転車駐輪場も整備されているため、上吉田駅の代わりに利用者の多い交通の要所となっています。

隣接駅

静岡鉄道駿遠線における上吉田駅の隣接駅には、遠州神戸駅と根松駅があります。このように見ていくと、上吉田駅の歴史的な役割や、現在の交通インフラの重要性を理解することができます。駅の閉鎖後も、その跡地は地域の交通の中心として進化を続けており、新たな形での利用が期待されています。

参考文献

• - 海野實著『静岡県の鉄道 今と昔』（初版）、駿遠豆ブックス、1986年。ISBN 4-943976-01-8。

関連項目

• - 廃駅
• - 廃線

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