上室田町

上室田町（かみむろだまち）

群馬県高崎市に位置する上室田町は、かつて群馬郡榛名町の一部であった地域です。旧榛名町時代は「大字上室田」として知られ、現在は高崎市の町名としてその名が残っています。郵便番号は370-3346。2012年時点での面積は約11.52平方キロメートルを測ります。

地理

上室田町は、鏡台山の南側の麓に広がり、烏川（からすがわ）の中流左岸に位置しています。地域の自然景観は豊かで、町内には榛名川（はるながわ）と烏川が流れ、また湯殿山（ゆどのやま）といった山岳も存在します。

歴史

上室田という地名は、江戸時代頃にはすでに存在していたとされます。その歴史は複雑な領主の変遷をたどってきました。はじめは高崎藩の領地でしたが、わずか数年後の元和元年（1615年）には安中藩の管轄に移ります。その後も寛文7年（1667年）には三河中島藩領となり、さらに5年後の寛文12年（1672年）には幕府の直轄領（天領）となるなど、短期間に支配者が目まぐるしく変わりました。宝永6年（1709年）には吉井藩領に組み入れられ、江戸時代を通して複雑な領有関係を経験した地域であったことがうかがえます。

近代に入り、行政区画の再編が進む中で、上室田も大きな変革を迎えます。1889年（明治22年）4月1日、町村制の施行により、上室田村は近隣の榛名山村、中室田村、下室田村と合併し、西群馬郡に属する室田村が誕生。上室田はその大字の一つとなりました。西群馬郡は1896年（明治29年）4月1日に片岡郡と統合されて群馬郡となり、室田村は群馬郡の所属となります。さらに1905年（明治38年）4月1日には室田村が町制を施行し室田町となり、地名は群馬郡室田町大字上室田と改称されました。

昭和の大合併期、1955年（昭和30年）2月1日には、室田町が碓氷郡里見村と合併し、新たに群馬郡榛名町が発足。上室田は引き続き榛名町の大字としてその名を残しました。そして、平成の大合併の流れの中で、榛名町は2006年（平成18年）10月1日に高崎市に編入されることとなります。これにより、長らく続いた榛名町大字上室田という住所表記は改められ、現在の高崎市上室田町として歴史を刻んでいます。

地名の由来

上室田の地名の由来には複数の説が伝えられています。一つは、この地域が渓谷が多く、田畑や集落が点在する地形であったことから、「諸田（もろた）」と呼ばれていたものが、次第に転訛して「室田」になったとする説です。もう一つは、榛名神社の神領地を指す古称「カムロギダ」から転じたものと考える説です。こちらは平安時代の弘仁年間（810年-824年）から伝わる由緒ある伝承とされています。

交通

町内に鉄道駅はありませんが、道路網が整備されています。地域内には国道406号が通り、群馬県道122号八本松松井田線や群馬県道211号安中榛名湖線といった県道も連絡しています。

主な施設

地域内には、教育機関として高崎市立上室田小学校があるほか、榛名上室田郵便局、榛名神社の一之鳥居、はるな保育所、上田屋1区公民館、室田発電所などが立地しており、地域の生活や活動の拠点となっています。

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