上尾幌

上尾幌について

上尾幌（かみおぼろ）は、北海道厚岸郡厚岸町に存在する地名で、郵便番号は088-0771です。この地域は、厚岸町の西部に位置し、周辺には片無去、来別、尾幌などの地名があります。また、釧路町や標茶町とも隣接しており、根室本線が地区を横断する重要な交通路となっています。

地理的特徴

上尾幌は、周囲を自然に囲まれた地形で、豊かな環境が魅力の一つです。特に、尾幌川が流れ、林業も発展しました。しかし、地域の基幹産業は炭鉱であり、かつては大いに栄えました。第七の土木事業以降、この地域での活発な開発が進み、1900年代初頭には小さな集落が形成されつつありました。

歴史的背景

根室本線の開業当初、上尾幌にはわずか10戸未満の住民しかいませんでした。しかし、鉄道の発展と共に地域の発展が期待され、宅地競売が行われました。ただ、その噂が虚偽であることが判明した後、土地は急激に価値を失いました。この時期、林業が盛んに行われていましたが、最も繁栄を迎えたのは上尾幌炭砿の存在がまさに影響を及ぼしました。最盛期には、小学校に通う児童が800名を超える状況も見られたほどです。

しかし1965年頃には炭砿が閉山し、現在では酪農とシイタケ栽培が地域経済の主要な産業となっています。上尾幌駅の近くには、複数の炭鉱がありましたが、時代の移り変わりとともにその役割は消えつつあります。

主要な炭鉱

上尾幌炭砿

上尾幌炭砿は1929年に露天掘りとして操業を開始しました。数年後に坑道掘りに移行し、三ツ星炭砿と名を変えました。1946年には廃坑となりましたが、1947年に北海鉱山によって再開され、その後日東炭鉱の管理下に置かれることになりました。1964年には閉山しましたが、上尾幌駅との間には運炭軌道が敷設されており、当時の賑わいを伺わせます。

青葉炭砿と新八千代炭砿

青葉炭砿は1928年に操業を開始しましたが、所有者が変わるとともに運営が変動しました。新八千代炭砿は1917年に開坑され、その後、いくつかの炭鉱が統合されました。1949年に新八千代炭鉱の管理下に置かれ、さらに発展を遂げました。

地名の由来

この地域の名前「上尾幌」は、尾幌川の上流に位置することから名付けられました。尾幌という名自体はアイヌ語から来ており、「河口の大きい川」という意味です。このように地名には自然との関わりや歴史が色濃く反映されています。

現在の上尾幌

上尾幌は現在、厚岸町の重要な地域となっており、同町に属しています。2004年には字名改正が行われ、地域の名称が更新されました。2023年の時点で、地域には一定の世帯数が存在していますが、かつて閉校した上尾幌小学校や上尾幌中学校も含め、地域の教育環境の変化が見られます。

交通手段

上尾幌には根室本線の上尾幌駅があり、国道44号や北海道道221号、1128号などの主要な交通路も利用されています。また、上尾幌郵便局などの施設も整っており、地域の生活基盤が整っています。

上尾幌は昔の栄華を誇りつつも、現在は新たな産業と共に地域の未来を切り開いている場所として注目されています。

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