上島雪夫

上島 雪夫（うえしま ゆきお）

1961年3月26日生まれ。東京都出身のダンサー、振付家、そして演出家です。

経歴

東京都立府中東高等学校を卒業後、10代でストリートダンスと出会い、ダンスの世界へと足を踏み入れました。キャリアの初期には、音楽番組でのバックダンサーなどを経験し、現場での感覚を磨きました。

さらなる高みを目指し、クラシックバレエの技術習得を決意。小川亜矢子氏や堀内完氏に師事し、バレエやモダンダンスにおける専門的な訓練を積みました。この確かな技術を基盤に、数多くのバレエ・モダンダンス作品で主要な役柄を演じるダンサーとして評価を確立します。

特に重要なキャリアの一つとして、劇団四季での約2年間の在籍が挙げられます。この期間、『ウエストサイド物語』や『CATS』といった著名なミュージカルでリードダンサーを務め、そのダイナミックなパフォーマンスで観客を魅了しました。劇団四季で得た豊富な経験と実績は、その後の活動における貴重な財産となります。

振付家・演出家としての活動

劇団四季を退団後、上島雪夫氏はダンサーとしての経験を活かしつつ、振付家・演出家としての活動を本格的に開始します。その活動範囲は極めて広く、日本の様々なジャンルの舞台芸術において重要な役割を果たしています。

宝塚歌劇団においては、『バロック千一夜』『マンハッタン不夜城』『サザンクロスレビュー』など、多数の公演で振付を担当し、華やかなレビューシーンを創り上げてきました。また、東宝ミュージカルでもその手腕を発揮し、『サウンド・オブ・ミュージック』『南太平洋』『シェルブールの雨傘』『ジキル＆ハイド』といった大型作品の振付を手掛けています。特に、演出家の山田和也氏とは長年にわたりタッグを組み、数多くの名作を生み出しています。

舞台作品以外にも、1998年のかながわ・ゆめ国体の開会式における演出・振付や、東京モーターショー関連イベントへの参加など、その活動は多岐にわたります。世界的バレエダンサーである熊川哲也氏が出演する『YELLOW ANGEL』での振付も手掛けるなど、クラシック界との交流もあります。

近年の代表作としては、「ミュージカル・テニスの王子様」（1stシーズン）の演出・振付が挙げられます。このシリーズは若手俳優の登竜門として、また漫画原作ミュージカルの成功例として大きな話題を呼びました。上島氏はその成功に大きく貢献し、2ndシーズンではスーパーバイザーとして関わっています。また、自身が演出・振付を手掛け、出演も務めたニコニコミュージカル「カンタレラ」シリーズや、演出・振付・出演を兼任するオリジナル公演「DECADANCE」「START」などを通じて、常に新たな表現を追求しています。

かつては、東京大学のダンスサークルにジャズダンスを指導し、そのサークル名の由来となったという興味深いエピソードも残されています。

ダンサーとして培った身体表現の深さと、演出家・振付家としての柔軟な発想と構成力により、ミュージカル、レビュー、ダンス公演など、幅広いジャンルの作品でその才能を発揮し続ける上島雪夫氏。日本の舞台芸術界において、欠かせない存在として今後の活躍が期待されています。

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