上斎原スペースガードセンター

上斎原スペースガードセンター（KSGC）は、岡山県苫田郡鏡野町上齋原に所在する、宇宙デブリの観測を専門とする施設です。この施設は、一般財団法人日本宇宙フォーラム（JSF）によって設立され、2004年3月に運用を開始しました。その後、2017年4月に宇宙航空研究開発機構（JAXA）へと移管されています。

センターは、日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターの敷地内に位置し、人形峠アトムサイエンス館に隣接しています。主な利用者はJAXAの追跡ネットワーク技術センターSSAシステムプロジェクトチームで、宇宙空間の監視に重要な役割を果たしています。

観測設備

2023年にはレーダーが大幅にリニューアルされ、観測能力が飛躍的に向上しました。以前は高度650kmで直径1.6mの物体を観測するのが限界でしたが、新しいレーダーでは高度650kmで直径約10cmの物体まで捉えることが可能になりました。この性能向上により、より小さなスペースデブリの追跡と監視が可能となり、宇宙空間の安全確保に貢献しています。

レーダーの性能詳細

観測高度：200kmから1,000km（低軌道）
最大観測高度：3,000km
観測能力：10cm級の物体（高度650km）
同時観測物体数：最大30個

このレーダーシステムは、宇宙空間に存在するデブリを効率的に観測し、その軌道を正確に把握するために設計されています。観測されたデータは、スペースデブリの軌道予測や、宇宙機の安全な運用に役立てられています。

上斎原スペースガードセンターは、宇宙の平和利用に貢献するため、最先端の技術を駆使して宇宙デブリの観測に取り組んでいます。今後も、より高度な観測技術の開発と、宇宙空間の安全確保に向けた活動が期待されています。

関連施設

美星スペースガードセンター：同じく宇宙デブリを観測する施設
宇宙作戦群：日本の宇宙監視・防衛を担当する部隊

外部リンク

* JAXA 上斎原スペースガードセンター: https://www.jaxa.jp/ (JAXA公式サイト内の関連ページ)

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