宇宙作戦群

宇宙作戦群について

宇宙作戦群は、航空自衛隊に所属する宇宙空間の監視を専門とする部隊です。2022年3月17日に、防衛大臣直轄部隊として府中基地に新編されました。この部隊は、日本の人工衛星を保護し、宇宙空間の安全を確保するための重要な役割を担っています。

創設の背景

防衛省は、2019年12月20日に発表した令和2年度予算案で、航空自衛隊に「宇宙作戦隊」を新編するための経費を計上しました。この動きは、宇宙空間における安全保障の重要性が高まっていることを示しています。2020年1月23日には、防衛省設置法改正案が国会に提出され、4月17日に可決・成立しました。その後、2020年5月8日に部隊名が正式に「宇宙作戦隊」と決定されました。

発足と拡充

2020年5月18日、府中基地に大臣直轄部隊として宇宙作戦隊が発足し、初代隊長以下約20名で編成されました。この際、「宇宙」職種が新たに設けられました。その後、部隊は拡充され、2022年3月17日に「宇宙作戦群」として新編されました。宇宙作戦群は、群司令を指揮官とし、群本部、宇宙作戦指揮所運用隊、宇宙作戦隊で構成されています。

任務と活動

宇宙作戦群は、JAXA（宇宙航空研究開発機構）やアメリカ[[宇宙軍]]と協力し、宇宙空間の常時監視体制を構築しています。具体的には、スペースデブリ（宇宙ごみ）や他国の人工衛星が日本の人工衛星に影響を及ぼさないか監視し、日本の人工衛星を攻撃や妨害から守るための「宇宙状況監視」を行っています。さらに、電波妨害や不審な人工衛星の監視も行う予定です。

2022年度には、府中基地の作戦隊を「第1宇宙作戦隊」に改編し、関連装備を維持・管理する「宇宙システム管理隊」も設置されました。また、山口県防府市には「第2宇宙作戦隊」が新設され、宇宙作戦群全体の規模が拡大されました。2023年度には、レーダーや人工衛星を運用する宇宙状況監視システムが本格稼働を開始する予定です。

将来の展望

2022年12月に閣議決定された防衛力整備計画によれば、将来的に宇宙作戦群は将官を指揮官とする「宇宙作戦集団」に格上げされる予定です。この集団の下には、「宇宙作戦団」「宇宙作戦指揮群」「宇宙作戦情報隊」が置かれることになります。この改編は、宇宙空間における安全保障の重要性が増す中で、より高度な対応を可能にするためのものです。

シンボルマーク

宇宙作戦群のシンボルマークは、隊員が考案したもので、宇宙を象徴する「星」を十字で表現し、地球と衛星軌道を常続不断の監視をイメージしています。また、防衛省初の宇宙監視専用レーダーを6つの丸で表し、20個の星は部隊が2020年に新編されたことを示しています。

レーダー設備

宇宙作戦群は、宇宙監視用のレーダーを運用しています。レーダー設備の性能は以下の通りです。

レーダー数: 6基
パラボラアンテナ直径: 約13m
探知距離: 約40,000km
使用周波数帯: X帯（8GHz - 12GHz）

これらのレーダーは、府中基地の第1宇宙作戦隊が遠隔で運用しています。

沿革

2020年5月18日: 府中基地に「宇宙作戦隊」として発足
2022年3月17日: 府中基地に「宇宙作戦群」として新編・改称
2023年3月16日: 部隊改編（第1宇宙作戦隊、第2宇宙作戦隊、宇宙システム管理隊を新編）
2024年3月21日: 部隊改編(第1宇宙システム管理隊、第2宇宙システム管理隊を新編)

時期未定: 「宇宙作戦集団」に改編予定

部隊編成

現在の宇宙作戦群は、以下の部隊で構成されています。

宇宙作戦群本部
宇宙作戦指揮所運用隊
第1宇宙作戦隊
第2宇宙作戦隊（防府北基地）
第1宇宙システム管理隊
第2宇宙システム管理隊（防府北基地）

主要幹部

主要幹部の情報は、現在のところ公開されていません。

関連施設

府中基地（東京都府中市）: 宇宙作戦群の拠点
宇宙監視レーダー（山口県山陽小野田市海上自衛隊山陽受信所跡地)

脚注

詳しい情報や注釈、出典については、関連リンクをご参照ください。

関連項目

宇宙軍
アメリカ[[宇宙軍]]
JAXA
美星スペースガードセンター
上斎原スペースガードセンター

外部リンク

宇宙作戦群ホームページ
航空自衛隊 宇宙作戦群 (@JASDF_SSA) - X（旧Twitter）
* 航空自衛隊府中基地ウェブサイト

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