上杉勝周

上杉勝周（うえすぎ かつちか）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、出羽国米沢新田藩の初代藩主として知られています。

生涯

元禄9年（1696年）、米沢藩の第4代藩主であった上杉綱憲の四男として生まれました。勝周は、享保4年（1719年）に兄である吉憲から1万石を分与され、米沢新田藩を立藩しました。この米沢新田藩は、江戸に藩邸（上屋敷）を構えており、それが麻布にあったことから、人々からは「麻布様」と呼ばれていました。興味深いことに、米沢新田藩の江戸藩邸は、宗家である米沢藩の中屋敷の一部を与えられたものでした。また、藩主は支侯とも呼ばれていました。

享保7年（1722年）に兄である吉憲が亡くなり、幼少の宗憲が家督を継ぐと、勝周はその後見役を務め、宗憲を支え、藩政を補佐しました。さらに、享保8年（1723年）には、鍛冶橋門番や駿府加番といった役職を歴任し、幕府に対する奉公も果たしました。延享4年（1747年）7月2日、勝周は生涯を閉じました。

系譜

父母:
父：上杉綱憲（米沢藩第4代藩主）
母：於磯（樫田氏、側室）
正室:
於繁（片桐貞起の娘）
子女:
長男：上杉勝承（母は於繁、正室）
次男：金田正矩（母は於繁、正室）

米沢新田藩について

米沢新田藩は、本家である米沢藩から分知された比較的小規模な藩でした。しかし、勝周は初代藩主として、藩政の基礎を固めるために尽力しました。麻布に藩邸を構えたことで、江戸との繋がりも深く、文化や情報の交流も盛んであったと考えられます。勝周が「麻布様」と呼ばれていたことからも、領民や江戸の人々から親しまれていた様子がうかがえます。また、藩主は支侯とも呼ばれていました。

勝周の死後、米沢新田藩は、長男である勝承が継ぎ、その後も存続しました。米沢新田藩は、本家である米沢藩との関係を保ちながら、独自の歴史を刻んでいくことになります。

補足

上杉氏一族は、代々米沢の地を治めてきた名門であり、勝周もその血筋を受け継いでいます。上杉謙信を祖とする上杉氏は、戦国時代から江戸時代にかけて、数多くの有能な人物を輩出してきました。勝周もまた、その一人として、米沢新田藩の発展に貢献した人物として評価されています。

参考文献

『上杉家御家譜』
「新訂 寛政重修諸家譜 第12」続群書類従完成会

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