上杉裕世

上杉裕世(うえすぎ ゆうせい)は、1964年11月29日生まれの、広島県出身のマットペインターです。彼は、アメリカ合衆国の映画業界でその才能を発揮し、数々の名作映画の視覚効果に貢献しました。左利きであることも特徴の一つです。

生い立ちと初期のキャリア



上杉は、1981年にひろしま美術研究所で美術の基礎を学びました。その後、武蔵野美術大学油絵科に進学し、本格的に絵画の技術を磨きました。1985年には、マットペインターのロッコ・ジョフレに師事し、映画美術の世界に足を踏み入れます。

1987年、上杉はアメリカ合衆国に渡り、師であるジョフレのスタジオで働き始めます。この渡米の費用を捻出するために、彼はユニークな方法を選びました。なんと、人気テレビ番組『欽ちゃんの仮装大賞』に出場し、見事優勝を果たしたのです。この賞金100万円が彼の渡米を後押ししました。

ILMでの活躍



1989年、上杉はルーカスフィルムの視覚効果部門であるインダストリアル・ライト&マジック(ILM)に入社しました。彼はここで、2013年までマットアーティストとして数々の映画作品に参加し、その才能を遺憾なく発揮しました。彼の代表作の一つに、1990年の『ダイ・ハード2』のラストシーンの空港のマットペイントがあります。この作品は、彼の名を広く知らしめるきっかけとなりました。

オムニバス・ジャパンでの活躍



2017年、上杉は株式会社オムニバス・ジャパンに入社し、上席執行役員として活躍しています。2018年には、ソフトバンクの「ギガ国物語」シリーズのVFX監修を担当し、その卓越した技術力を証明しました。

受賞歴と主な作品



上杉は、その長年の映画業界への貢献が認められ、数々の賞を受賞しています。特に、エミー賞ビジュアルエフェクツ賞を『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』で受賞したことは、彼のキャリアにおける大きな功績の一つです。

彼の主な作品には、以下のようなものがあります。

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦|インディ・ジョーンズ_最後の聖戦』(1989)
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)
ゴーストバスターズ2』(1989)
ジョー、満月の島へ行く』(1990)
『ダイ・ハード2』(1990)
スウィッチ/素敵な彼女?|スウィッチ_素敵な彼女?』(1990)
『夢』(1990)
『ドアーズ』 (1991)
『フック』(1991)
ジュラシック・パーク』(1993)
インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険|インディ・ジョーンズ_若き日の大冒険 』(1993)
『マーベリック』 (1994)
スタートレック ジェネレーションズ』(1994)
フォレスト・ガンプ/一期一会|フォレスト・ガンプ_一期一会』(1994)
『マスク』(1994)
『未来は今』 (1995)
アメリカン・プレジデント』(1995)
『101』(1996)
スポーン』(1997)
『スター・ウォーズ三部作 特別篇』(1997)
『ザ・グリード』(1998)
スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス|スター・ウォーズ エピソード1_ファントム・メナス』(1999)
ギャラクシー・クエスト』 (1999)
A.I.』(2001)
クローン』 (2001)
『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』 (2002)
リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い|リーグ・オブ・レジェンド_時空を超えた戦い』 (2003)
『ピーターパン』(2003)
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐|スター・ウォーズ エピソード3_シスの復讐』(2005)
ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)
『ポセイドン』(2006)
『エラゴン』(2006)
パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド|パイレーツ・オブ・カリビアン_ワールド・エンド』(2007)
ラッシュアワー3』(2007)
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国|インディ・ジョーンズ_クリスタル・スカルの王国』(2008)
『スター・トレック』(2009)
『アバター』(2009)
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン|トランスフォーマー_ダークサイド・ムーン』(2011)
『アベンジャーズ』(2012)
『バトルシップ』(2012)
* 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013)

これらの作品は、彼の技術力と創造性を証明するものであり、映画史にその名を刻んでいます。

まとめ



上杉裕世は、日本が誇るマットペインターであり、その卓越した技術とユニークな経歴は、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。彼の作品は、今後も多くの映画ファンに愛され続けることでしょう。


上杉裕世 - IMDb(英語)

Yusei Uesugi home page at Hollywood.com

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。