上條謙二郎

上條 謙二郎（かみじょう けんじろう）

上條謙二郎は1940年に長野県下伊那郡松川町で生まれた日本の著名な航空宇宙工学者です。学術界でのキャリアは長く、特に宇宙関連の技術開発に大きく貢献しました。彼は東北大学の名誉教授であり、紫綬褒章を受章するなど、その業績は広く評価されています。

学歴とキャリア

上條氏は1960年に長野県飯田高等学校を卒業した後、1964年に名古屋工業大学の機械工学科を卒業しました。さらに、1969年には東京工業大学大学院にて機械工学専攻の博士課程を修了し、航空宇宙技術研究所の研究員としてキャリアをスタートさせました。

1975年には航空宇宙技術研究所の角田支所に赴任し、ロケット流体機器研究室の室長を務めることになります。この頃には、カリフォルニア工科大学での客員研究も経験しました。1983年には東京大学工学部で非常勤講師を務めるなど、教育活動にも貢献しました。

1992年からは再び航空宇宙技術研究所に戻り、角田支所で研究調整官として活動し、1993年にはロケット推進研究部長に就任しました。ここではH-IロケットのLE-5、H-IIロケットのLE-7のターボポンプの設計と開発に深く関わりました。1996年からは東北大学流体科学研究所の教授に就任し、極低温流研究分野の研究を推進しました。

上條氏の業績は数多く、1997年には日本航空宇宙学会の北部支部長に選ばれ、2004年に退職後は名誉教授としてその知識と経験を後進に伝えています。2015年には日本工学アカデミーの会員にもなりました。

著書

上條謙二郎は学術的な著書も多く執筆しています。1994年には平田邦夫との共著で『ロケットを飛ばす』を発表し、1996年には『ロケットターボポンプの研究・開発―35年間の思い出』を出版しました。これらの書籍は、航空宇宙工学の分野での貴重な資料となっています。

受賞歴

彼の努力と成果は数多くの受賞に結びついています。1981年には科学技術庁長官賞を受け、その後も日本機械学会賞（技術賞、論文賞）や米国関連の学会からの受賞が続きました。また、2004年には紫綬褒章を授与され、2014年には瑞宝中綬章を受賞しました。最近では2020年に日本機械学会東北支部から功労賞を受けるなど、長年にわたる業績が評価されています。

結論

上條謙二郎は、航空宇宙工学の分野においてその専門性を活かし、教え子や後進の指導にも尽力してきました。彼の多彩なキャリアと豊富な受賞歴は、日本の科学技術の進展に寄与してきたことを物語っており、今後もその影響が続くことが期待されています。

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