上武大橋

上武大橋の概要

上武大橋（じょうぶおおはし）は、群馬県伊勢崎市境平塚と埼玉県深谷市中瀬を結ぶ橋です。この橋は利根川に架けられ、地域の交通において欠かせない存在となっています。

橋の歴史

上武大橋の建設は、区域の歴史と深い関わりがあります。この地域は江戸時代から北越街道の一部として知られ、「中瀬の渡し」として官営の渡船が設けられていました。1883年には最初の木造船橋である「向島橋」が架けられましたが、これが永久的な橋へと改築されたのが1934年のことです。最初は「中瀬橋」と名付けられ、1931年に工事が始まりましたが、西埼玉地震の影響で工期が延び、1934年に開通しました。

橋の構造

橋の長さは894.7メートル、幅は5.5メートルに及び、鋼製の橋で構成されています。中間部にはスパン52.1メートルの単純下路ワーレントラスが10連あり、両岸部分にはスパン21メートルのカンチレバープレートガーダーが14連併せて設置されています。群馬県道及び埼玉県道14号線がこの橋を通っており、かつては道幅が狭かったため、大型車の通行が多く、通勤ラッシュの時間帯には激しい渋滞が発生していました。加えて、1982年に完成した側道橋により、歩行者や自転車は安全に移動できるようになっています。

1992年には国道17号が開通し、新上武大橋も架けられました。これにより、大型車は新たな橋を利用するようになり、渋滞がある程度緩和されましたが、朝の通勤時間には依然として混雑が見られました。

新橋の建設と解体

上武大橋は開通から80年以上が経過し、老朽化が著しいことと狭い幅員が問題視されていました。2013年から橋の架け替え工事が始まり、2018年には新たな橋が開通しました。この新橋は長さ888メートル、幅11メートルの鋼製13径間連続細幅箱桁橋であり、埼玉県として初のプレキャストPC床版が採用されています。旧橋は役割を終え、2018年に解体されましたが、橋の一部はモニュメントとして保存され、地域の歴史を今に伝えています。このモニュメントは、旧橋が持つ歴史的価値や土木遺産としての魅力を際立たせています。

事故

旧橋の解体中の事故も発生しました。2018年12月、側道橋の桁にダンプカーが接触し、一部が崩落してしまいました。この事故により運転手が下敷きになり、救出はされたものの、残念ながら死亡が確認されました。こうした事故は、土木工事の危険性を改めて認識させる出来事でした。

風景と隣接する橋

上武大橋周辺の風景は、利根川の美しい景観を眺めることができ、地域の人々に親しまれています。また、上武大橋の近くには五料橋、坂東大橋、新上武大橋、刀水橋といった他の橋も存在し、これらとともに地域の交通網を支えています。交通の要所としての上武大橋は、多くの人々の生活を支える重要な交通インフラなのです。

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