上江別駅

夕張鉄道 上江別駅

北海道江別市上江別に位置していた上江別駅（かみえべつえき）は、かつて夕張鉄道線が運行していた時代に存在した鉄道駅です。

夕張鉄道線の路線整理・合理化が進められる中で、1974年をもってその歴史に幕を閉じ、廃駅となりました。

歴史

上江別駅は、1930年（昭和5年）11月3日に営業を開始しました。

駅の歴史の中で特筆されるのは、1956年（昭和31年）9月20日から開始された当駅と札幌大通を結ぶバス連絡輸送です。これは、後年同年12月1日に野幌バス停留所駅が開設されるまでの一時的な措置であり、野幌バス停留所駅の運用開始に伴い、当駅での列車とバスの連絡機能は廃止されました。

貨物輸送においては、1960年（昭和35年）7月1日をもって車扱貨物の取扱いが廃止されました。

そして、廃止に向けた動きとして、1974年（昭和49年）4月1日に旅客営業を休止し、同年10月1日に正式に廃止されました。

駅構造

駅の構造は、地上駅であり、単式ホーム1面1線を有していました。

先に触れた札幌方面への連絡バスは、このホームから発着していたとされています。

機能と役割

旅客駅としての機能はもちろんのこと、貨物取扱を行っていた時期もありました。

特に車扱貨物が扱われていた時代には、近隣の王子製紙江別工場へ輸送される原木の積み下ろしが行われた実績もあり、地域の産業活動も支える役割を担っていました。

また、野幌バス停留所駅開設前の短期間ではありましたが、札幌方面への連絡バスの発着地点として、旅客輸送における重要な結節点ともなりました。

駅周辺

駅の廃止後、その近隣には夕鉄バスの「上江別」停留所が設置されており、かつての鉄道駅があった場所の名残を感じさせます。

その他

上江別駅から札幌市内の大通まで、新たな鉄道路線である「札幌急行鉄道」を建設し、夕張鉄道線と直通させるという構想が存在しました。

この構想は実際に免許申請まで行われたものの、最終的には申請が取り下げられ、実現には至りませんでした。

夕張鉄道線の歴史と共に姿を消した上江別駅は、短い期間ながらも札幌連絡バスの発着駅となるなど、その時代の輸送体系の中で独自の役割を果たした駅と言えるでしょう。

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