上浦町 (大分県)

上浦町の概要

上浦町（かみうらまち）は、かつて大分県の南東部に位置していた町です。四浦半島の佐伯湾に面した、東西に細長い地形が特徴で、海岸線は複雑なリアス式海岸を形成していました。2005年3月3日、佐伯市と南海部郡の5町3村との合併により、新たな佐伯市の一部となりました。

地理

上浦町は、四浦半島の佐伯湾に面した南半分と、その付け根部分に位置していました。海岸線は入り江と岬が交互に続くリアス式海岸で、入り江に沿って集落が点在していました。主な地区としては、東から大浜、蒲戸、福泊、長田、夏井（大字最勝海浦）、津井（大字津井浦）、浅海井、浪太（大字浅海井浦）などがありました。

歴史

上浦町の歴史は、町村制が施行された1889年（明治22年）に遡ります。当初は最勝海浦、津井浦、浅海井浦の区域をもって東上浦村として発足しました。その後、1950年（昭和25年）に上浦村へ名称変更、翌1951年（昭和26年）には町制を施行し、上浦町となりました。2005年（平成17年）には佐伯市との合併により、その歴史を終えました。

行政

上浦町の最後の町長は、中村正美氏で、2000年から2005年まで務めました。

経済

上浦町の主な産業は漁業と農業でした。特に、リアス式海岸で育まれたアワビやサザエなどの海産物、特産品である宮内伊予柑や、郷土料理である「たくたく料理」は、地域経済を支える重要な要素でした。また、「一村一品」「一村一魚」運動にも積極的に参加し、地域資源の活用に力を入れていました。

姉妹都市・提携都市

上浦町は、大分県内の荻町（現：竹田市）と1995年に友好姉妹町提携を結んでいました。

地域

教育

上浦町には、かつて以下の教育機関がありました。

中学校
上浦町立東雲中学校
上浦町立最勝海中学校（1997年に東雲中学校と統合）
小学校
上浦町立東雲小学校（1898年、津井学校と浅海井学校を統合し設立）
上浦町立旭日小学校（1900年、長田分教場として設立、1972年に東雲小学校と統合）
上浦町立浪太小学校（1908年、浪太分教場として設立、1972年に東雲小学校と統合）
上浦町立最勝海小学校（1997年に東雲小学校と統合）

交通

鉄道路線
九州旅客鉄道（JR九州）日豊本線：浅海井駅
道路
国道217号
大分県道541号四浦港津井浦線

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

上浦町には、以下のような観光スポットがありました。

豊後二見ヶ浦
暁嵐公園
瀬会公園
蒲戸崎自然公園

これらの場所は、美しい自然景観や歴史的な名残を感じられる場所として、地域住民や観光客に親しまれていました。

出身有名人

高槻真裕（作曲家）

まとめ

上浦町は、合併によりその名こそ消えましたが、豊かな自然と独自の文化を持つ魅力的な場所でした。リアス式海岸が生み出す美しい景観、海産物を中心とした地域産業、そして地域に根差した教育機関は、上浦町が築いてきた歴史と文化を今に伝えています。合併後も、上浦町の歴史は佐伯市の一部として、今もなお人々の心に刻まれています。

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