上海停戦協定

上海停戦協定について

上海停戦協定（シャンハイていせんきょうてい）は、1932年1月28日から始まった第1次上海事変において、日本と中国の間で結ばれた停戦の合意です。この協定には正式な標題はありませんが、便宜的にその呼称が用いられています。この協定は双方の戦闘行為を停止し、平和的な解決を目指す内容となっています。

協定締結までの経緯

停戦に向けた動きは、英米の総領事によってあせんが行われ、1月29日午後8時から停戦が実施予定でした。しかし、30日の朝に再び砲撃が行われたため、状況は緊張したままでした。この混乱の中、31日にはイギリス海軍少将フレミングが提案する中立地域設定自治案がありました。しかし、日本側はこの案を受け入れず、事態はさらに泥沼化しました。

東京では、英米の大使が日本陸戦隊の行動について警告を発しましたが、日本側は否定的な反応を示しました。そうした中で、2月26日、芳沢外相は国際連盟に対して上海での円卓会議を提案し、3月4日から本格的な停戦協議が行われました。しかし協議が進むにつれて、中国側は撤兵の具体的な期日や満州問題の解決を要求し、会議は難航しました。最終的には、英米仏伊の代表が共同提案を行うことで、協定の締結へと向かいました。

協定の内容

協定の具体的な内容は、以下のように制定されています。

1. 停戦の確認
日本国と中国の当局は、昭和7年5月5日から停戦を確定することに合意しました。戦闘行為は、両国軍が統制する限りにおいて停止されます。

2. 中国軍隊の駐留
中国軍隊は、正常な状況が回復された後に、現駐地点に留まることが定められました。

3. 日本軍隊の撤収
日本軍は、1月28日の事件前の状態に戻るよう、共同租界や虹口方面にある拡張道路に撤収することが求められました。

4. 共同委員会の設立
参加国の代表を含む共同委員会を設置し、撤収の状況を確認・監視することが決まりました。撤収が行われる際は、中国警察への引き継ぎも行われました。

5. 協定の施行日
本協定は署名日から実施され、言語についても日本語、中国語、英語での示されています。

この協定の調印は1932年5月5日に行われ、その後、日本政府は上海からの撤兵を決定し、5月中旬に全ての陸軍を撤退させる指示を出しました。上海停戦協定は、日中間の関係に大きな影響を与え、国際情勢においても重要な役割を果たしました。この合意は、戦争回避や国際関係の見直しに寄与したとされ、後の歴史においても重要な意味を持つと考えられています。

関連項目

• - 第一次上海事変
• - 第二次上海事変

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