第二次上海事変

第二次上海事変

第二次上海事変（だいにじシャンハイじへん）は、1937年8月13日から始まった日中間の軍事衝突であり、上海の戦いとも称されます。この事変により、中国と日本の戦争は全面的なものとなり、中国側では淞滬会戦と認識されています。

背景

この事変は1932年に発生した第一次上海事変の影響を受けたもので、中国は再び日本に対抗する準備を進めていました。国民政府は、上海の日本軍に対して奇襲攻撃を仕掛ける計画を密かに策定し、ドイツ軍事顧問団の支援を受けて戦力を強化していました。特に張治中将は、上海の各地に陣地を設けて日本軍に対抗する姿勢を固めました。

緊迫する状況

1936年には日本軍の行動が活発化し、盧溝橋事件などの衝突が発生する中、中国側も徐々に攻撃を仕掛ける準備を整えていきました。国民政府は、早期の戦局収拾を望む一方で、日中の緊張は高まり、民間人の避難も検討されるようになりました。7月28日には、日本政府が上海在留の日本人の引き揚げを命じる事態に発展しています。

事変の勃発

戦闘開始直前の8月11日、日本側が保安隊の撤退を要請しましたが、中国軍はその命令を無視し、自らの軍を上海包囲線に展開させ、日本軍を排除する計画を着々と進めました。結果、8月13日には中国軍が日本軍に攻撃を開始し、これが正式な戦闘の始まりとなりました。この日は、以降の日中戦争において重要な意味を持つ日として記録されています。

激しい戦闘

事変の初日から、日本と中国の間で熾烈な戦闘が繰り広げられ、日本軍は早急に陸戦隊を派遣して対応します。国民党軍の数に対して日本軍は軍の増強が必要とされましたが、国民党軍は上海周辺に大軍を展開しており、数的には圧倒的な優位に立っていました。

特に、8月14日には、国民党軍による空軍の爆撃が始まり、民間人にも多くの死傷者が出る惨劇が展開されました。これに対し、日本側の対空砲火も活発になり、双方の攻防が続く中、ひとたび戦闘が始まると収拾がつかなくなる状況が見られました。

上海の状況

戦闘が進む中、上海の街では激しい攻撃が続き、住民は恐怖の中で避難を余儀なくされました。徐々に戦局が悪化する中で、政府は国際社会への非難も高まり、外部からの支援が求められましたが、同時に事態は国際的な関心を集めることとなりました。日本に対しては抵抗意識が強まっていく中、中国側も次第に辞退の姿勢を見せるようになります。

影響と評価

第二次上海事変は、日中戦争の突破口としての役割を果たしました。また、この戦闘を通じて、多くの民間人が犠牲となり、国際社会の関心を集め、戦争への批判が強まっていくことになります。戦争が進む中で、両国の対応や国際的な反応が戦局に多大な影響を与えることとなりました。特に欧米メディアは、日本の行動を厳しく非難する報道を多く行い、それが国際的な圧力につながりました。

第二次上海事変は、戦争の入口とされ、その後の激しい戦闘や国際関係に大きな影響を与えた歴史的な出来事といえるでしょう。この事変は、その後の中国の戦略や国際関係にも影響を与え続けることとなります。

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