上海料理

上海料理の概要

上海料理は、中国の上海市を起源とする中華料理の一派であり、特に江蘇料理に多くの影響を受けています。地元の流派の料理を指して「本幇菜」とも呼ばれ、上海周辺の江蘇省や浙江省は、魚と米が豊富な地域として知られています。そこで培われた食文化が、上海の発展とともに移り住んだ人々により融合し、現在の上海料理が形成されました。

特徴と味わい

上海料理の特徴的な味は、甘さと濃厚さにあります。酒、酒粕、醤油、黒酢などの漬けものが多用され、さらに砂糖や麦芽糖も加えられます。そのため、料理の仕上がりは全体的に甘みが強いのが特徴です。また、海鮮料理も盛んで、特に長江や太湖などの淡水の食材が多く使われています。

歴史的背景

上海は移民都市として急速に人口が増加し、歴史的には祖先伝来の伝統的な料理が少ない地域です。周辺地域の江蘇料理や浙江料理の要素が混ざり合い、時折、それらがそのままの形で上海料理として提供されることもあります。

屋台や家庭料理など様々なジャンルが共存する上海料理では、その一つに安徽料理が初めに影響を与えて以来、寧波、揚州、蘇州といった地域の料理からも多くの影響を受けてきました。19世紀には開港し租界が形成され、西洋料理の要素も取り入れられ、さらに中華人民共和国の成立以降は広東料理、四川料理もそれに加わりました。近年では、伝統に新しいアプローチを加えた「ヌーベルシノワ」と呼ばれる新中華料理も登場し、高級店や若者を中心に支持を受けています。

代表的な料理

1. 上海蟹: 中国モクズガニを使った料理で、蒸しや酔蟹で楽しまれます。
2. 小籠包: ジューシーな肉汁が詰まった薄皮の小籠包は、世界的に人気の高い料理です。
3. 生煎饅頭: 鉄板で焼き上げた肉饅頭で、中身がジューシーです。
4. 八宝鴨: 鶏肉や豚肉、野菜などを詰めて蒸し上げたアヒル料理で、豪華な一品です。
5. 上海炒麺: 甘い醤油ベースで炒められた焼きそばで、地元の人気があります。

他にも、蒸し料理や揚げ料理も多く、様々な食材や調理法が融合した多彩なメニューが揃っています。地域特有の食材にこだわりながら、伝統と革新を大切にし続ける上海料理は、訪れる人々に魅力的な食体験を提供しています。

もう一度検索