上田中町 (下関市)

上田中町について

上田中町（かみたなかまち）は、山口県下関市に所在する地名で、その郵便番号は750-0009です。この地域には2015年の国勢調査によれば4823人の住民があり、世帯数は2314を数えます。

地理的特徴

上田中町は下関市の南部に位置しており、周囲の地域と隣接しています。具体的には、北東部には貴船町、北部は山の口町、西部は向洋町、南部では丸山町、名池町、田中町と接しています。また、南東部には幸町が隣接しています。この地理的条件が地域の発展に寄与しています。

歴史の流れ

上田中町には長い歴史があり、明治時代にまで遡ることができます。明治9年（1876年）、地元出身の人玉江利兵衛が護国寺を開基し、その後、善斉院日成と名を改めて二代目の住職となりました。続いて、明治13年（1880年）には智玄院日諦上人が護国寺を開山し、その影響力が広がりました。

さらに、明治19年（1886年）には宣教師のG・H・アップルトンが下関バプテスト教会を設立しました。地域の教育にも力が入れられ、大正13年（1924年）には田中真了が願久寺を創建し、昭和7年（1932年）には文関尋常小学校が開校されました。1947年には下関市立第一中学校が開設され、1951年には同校が日新中学校に改称されています。

特筆すべきは、1951年に早鞆高等学校が新築・移転され、昭和29年には上田中町が大字関後地村から分離して独立した町名として制定されました。昭和44年（1969年）には、地域に下関図書館が開館し、地域文化の発展に寄与しました。また、昭和41年には上田中町が1～8丁目に分割されたほか、市外電話局や電報局も転入しました。

火災の記録

上田中町は1950年代に多くの火災に見舞われた時期があり、特に1950年の8月には2件の火災が発生しました。8月12日に電気通信関連の工事現場で発生した火事では七棟が焼失し、続いて8月23日には文関小学校で火災が起きたことから、これらの事故による損害額は約1500万円にも上ります。以降も少なくとも2年ごとに火災が発生しており、地域住民に不安を与えていました。

地域の施設と史跡

上田中町には重要な史跡や施設も存在します。例えば、浄土真宗の寺院である願久寺や、日蓮宗の護国寺、さらには下関バプテスト教会などがあります。これらの施設は地域の文化や宗教的背景を象徴するものであり、訪れる人々に深い歴史を感じさせることでしょう。

人物の出身

また、上田中町は著名な人物の故郷でもあります。衆議院議員で元内閣総理大臣の安倍晋三氏や、林兼産業社長の中部利三郎氏、弁護士の藤井啓一氏などがこの町にゆかりがあります。特に松本清張氏は、幼少期を上田中町で過ごしたことが知られています。

以上のように、上田中町は歴史、文化、人口ともに多様性に富んだ魅力的な地域です。

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