上田穣

上田穣の生涯と業績

上田穣（うえた じょう、1892年2月6日 - 1976年11月13日）は、日本の天文学界で高い評価を受ける著名な学者です。徳島県に生まれ、彼は東京帝国大学（現・東京大学）理科大学星学科を1916年に卒業した後、水沢緯度観測所で技師としてのキャリアをスタートさせました。1848年に理学博士号を取得し、1931年には京都帝国大学の理学部教授に就任します。

上田は、京都大学時代に宇宙物理学教室の創設者である新城新蔵に師事し、多くの研究成果を上げました。彼は、花山天文台の長や生駒山太陽観測所の所長をも務め、天文学の発展に寄与しました。その後、1955年に京都大学を定年退官し、名誉教授となりました。退官後も、京都女子大学の教授や生駒山天文博物館の館長、日本暦法協会の会長などとして活躍しました。

彼の研究は後進の育成にも寄与しており、特に弟子の古川麒一郎はその一例です。また、上田の長男である上田正康も著名な物理学者として知られています。さらに、1953年には、彼にちなんで名付けられた小惑星（1619）Uetaが発見され、彼の業績が後世にまで伝えられることとなります。

著書

上田は、多くの書籍を著しており、その中には天文学の基礎や天体観測に関する内容が含まれています。以下は彼の主な著書です：

• - 『石氏星経の研究』東洋文庫（1930年）
• - 『病床に在る友へ』岩岡書店（1934年）
• - 『東京帝室博物館所蔵の天球儀に就て 附・帝室博物館及び足利学校の天球儀の関係に就いて 足利学校保存の天球儀に就いて』（1935年）
• - 『日食の話』朝日新聞社（1943年）
• - 『日食敍説』富書店（1948年）
• - 『天体観測法』恒星社厚生閣（1949年）
• - 『京大理理学講座・暦法改法革の諸問題』創元社（1974年）

これらの著作は、天文学の知識の普及に貢献し、多くの研究者や学生に影響を与えました。

関連項目

上田穣の提案によって、石塚睦がペルーに太陽コロナ観測所を設置するための尽力を行ったことは特筆すべきエピソードです。このプロジェクトは、上田の580経度観測の研究と深く関連しています。彼の業績は、天文学の発展において今なお重要な位置を占めています。

上田穣は、天文観測と教育に情熱を注ぎ、日本の天文学界に多大な影響を与えた人物として記憶され続けるでしょう。

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