古川麒一郎

古川麒一郎の生涯と業績

古川麒一郎（ふるかわ きいちろう）は、1929年7月22日に生まれ、2016年6月29日に逝去した日本の著名な天文学者です。彼は理学博士の学位を1969年に取得し、東京大学東京天文台の助教授や国立天文台の助教授を経て、多大な貢献をしました。彼の研究は位置天文学、天体力学、測地学を専門とし、多くの学術的業績を残しています。

生い立ちと教育

古川は大阪府で生まれ、若い頃から天文学に興味を持ちました。大阪府立住吉中学校（現在の大阪府立住吉高等学校）でアマチュア天文家としての活動を開始し、特に1944年には福岡市を拠点とする筑紫天文同交会に参加。ここで変光星の観測を行い、戦時中にもかかわらずその情熱を貫きました。筑紫天文同交会は1947年に解散しましたが、古川はその後も観測結果をアメリカ変光星観測者協会や日本天文研究会に報告し続けました。

彼は1953年に浪速大学（現在は大阪府立大学）工学部工業化学科を卒業しますが、その後、プロの天文学者を目指し、京都大学大学院理学研究科の宇宙物理学専攻に進学。そこで上田穣に師事し、1958年に博士課程を修了しました。

キャリアの初期

古川は水沢緯度観測所の主任研究官として勤務し、その後、東京大学東京天文台の助教授に着任しました。彼は1969年に理学博士の学位を取得し、その後も天文学の研究に専念しました。1988年には国立天文台が発足すると、その助教授として新たな職務に就くことになり、1990年に定年退官を迎えます。

大学教授として

退官後の1992年には女子美術大学の芸術学部教授として新たなキャリアをスタートしました。彼は多くの学生に天文学の魅力を伝え、次世代の研究者を育成することに尽力しました。

科学的業績と発見

古川の研究の中で特筆すべきは、多数の小惑星の発見です。長野県木曽郡木曽町にある東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所において、1976年以降、多くの小惑星を発見しました。特に彼にちなんで命名された小惑星番号3425番古川は、彼の功績を称えるためのものであり、古川が天文学の発展に寄与した象徴的な存在となっています。

また、彼が発見した小惑星番号2271番の木曾も同様に重要な業績です。これらの発見は、彼の技術と観測能力の高さを示しています。

研究テーマと思索

古川は太陽系内の天体の力学や基本星表の研究、中国古代暦法といったテーマに取り組みました。こうした研究は、天文学や天体力学の発展について新たな視点を提供し、学問の深化に寄与しました。

所属学会

彼は日本天文学会、日本測地学会、国際天文学連合に所属し、これらの学会を通じて多くの研究者と交流し、情報を共有しました。

まとめ

古川麒一郎の業績は、彼の生涯を通じて日本の天文学の発展に寄与したものです。彼の情熱と努力によって数多くの小惑星が発見され、彼の名は今後も天文学の歴史に刻まれることでしょう。

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