上田邑

上田邑（かみたのむら）

岡山県津山市に存在する地名で、その読みは「かみたのむら」です。郵便番号は708-0011が割り当てられています。

地理

上田邑は、津山市内の田邑（たのむら）地区の北部に位置しています。地域の中央部を紫竹川（しちくがわ）が南北に流れており、周囲の景観を特徴づけています。また、上田邑地区の西側は、隣接する岡山県鏡野町（かがみのちょう）との境となっています。この地理的な位置関係は、古くから地域間の交流や交通路に影響を与えてきました。

河川

地域を潤し、人々の暮らしや農業用水として重要な役割を担っている河川に紫竹川があります。この川は上田邑の南北を縦断しており、地域の主要な自然要素の一つとなっています。

歴史

上田邑の歴史は、明治維新後の行政区画再編期に大きく動きました。それ以前は、いくつかの小さな集落に分かれていたと考えられます。

1872年（明治5年）: 地域内に存在していた「上田邑村東分（ひがしぶん）」、「上田邑村南分（みなみぶん）」、「上田邑村北分（きたぶん）」、「上田邑村見内分（みうちぶん）」、「上田邑村平田分（ひらたぶん）」といった複数の「分村」が合併し、改めて一つのまとまった行政単位として「上田邑村」が成立しました。これは、より効率的な行政運営を目指した当時の政策によるものです。
1889年（明治22年）6月1日: 近代的な地方自治制度である町村制が施行されるにあたり、当時の西北条郡（さいほくじょうぐん）に属していた上田邑村は、同じ郡内の下田邑村（しもたのむら）と合併することになりました。この合併により、新たな村として「田邑村」が誕生しました。合併後の田邑村において、旧上田邑村の区域は「大字上田邑」として継承され、さらに重要なこととして、田邑村の村役場がこの大字上田邑の区域に置かれました。これは、合併後の村の中心地としての役割を担うことになったことを示しています。
1900年（明治33年）4月1日: 岡山県内の郡の統合・再編が行われました。これにより、西北条郡は西西条郡（さいさいじょうぐん）、東南条郡（とうなんじょうぐん）、東北条郡（とうほくじょうぐん）と合併し、広大な「苫田郡（とまだぐん）」が成立しました。田邑村はこの苫田郡に属することになりました。
1954年（昭和29年）7月1日: 昭和の大合併と呼ばれる市町村合併の波の中で、田邑村もその歴史的な転換点を迎えました。田邑村は、周辺にあった成名村（なるなむら）、二宮村（にのみやむら）、香々美南村（かがみみなみむら）、香々美北村（かがみきたむら）、滝尾村（たきおそん）、虎倉村（こくらそん）、一宮村（いちのみやそん）、郷土村（さとちむら）、佐良山村（さらやまむら）といった9つの村とともに、当時すでに市制を施行していた津山市へと編入されました。これにより、田邑村は消滅し、上田邑は津山市内の一地域として現在に至ります。

世帯数と人口

上田邑地区における住民の構成を示す世帯数と人口については、例えば2021年（令和3年）1月1日現在のような特定の時点での公式な統計情報が存在します。これらの情報は、地域の規模や社会構成を把握する上で参考となります。

小・中学校の学区

津山市立の小・中学校へ通学する児童・生徒にとって、上田邑地区は特定の学区に指定されています。どの学校に通うことになるかは、津山市教育委員会によって定められた学区に基づいています。

交通

地域内の交通網としては、いくつかの主要な道路が整備されています。特に重要な路線として、以下の岡山県道が挙げられます。これらの県道は、地域住民の日常生活における移動や、近隣地域との連携を支える基盤となっています。

岡山県道338号市場津山線
岡山県道339号西一宮中北上線

施設

地域住民の交流や活動の拠点として機能している公共施設も存在します。

津山市田邑公民館榎分館

参考文献

この辞書記事の作成にあたっては、以下の文献から情報を得ています。これらの資料は、上田邑を含む地域の歴史や地理に関する信頼性の高い情報源です。

和泉橋警察署 『新旧対照市町村一覧』第2冊（東京：加藤孫次郎, 1889年）
* 地名編纂委員会 『角川日本地名大辞典33 岡山県』（角川学芸出版, 1989年） ISBN 4040013301

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