上目名駅

上目名駅は、かつて北海道磯谷郡蘭越町に存在した国鉄函館本線の駅です。開業当初から周辺人口が少なく、信号場としての役割が重要でした。しかし、蒸気機関車撮影の地として鉄道ファンに親しまれる一面も持っていました。

歴史

開業から廃止まで
1913年9月21日に、国有鉄道函館本線の熱郛駅 - 目名駅間に新設開業しました。1949年には国鉄に継承されています。1974年に貨物、1982年には荷物の取り扱いが廃止され、同時に無人化されましたが、閉塞扱いの運転要員は配置されていました。1984年3月31日、利用者の減少に伴い廃駅となりました。

秘境駅のような立地
駅は観音山・幌内山といった海抜600 - 800m程度の山に挟まれた場所に位置していました。そのため、周辺に人家はほとんどなく、ひっそりとした佇まいでした。

運行上の役割
熱郛駅 - 上目名駅間には北海道総局と青函船舶鉄道管理局との境界があったため、小樽方面からの折り返し列車や、札幌からの急行列車の終着駅となることもありました。

鉄道写真の撮影地として
上目名駅周辺は、鉄道でのアクセスが可能な山間部であったため、SL全盛期には撮影地として人気を集め、多くの鉄道ファンで賑わいました。

駅構造

廃止時点で島式ホーム1面2線を有する地上駅で、列車交換が可能な構造でした。駅舎側が下り線、反対側が上り線となっており、その他に下り線の外側に側線がありました。駅舎は構内の西側に位置し、ホーム中央部分とは構内踏切で連絡していました。無人化後も運転取り扱い要員が配置され、乗車券類は簡易委託で販売されていました。

利用状況

1921年の年間乗車人員は1,083人（1日あたり約2.9人）でした。
1964年発行の『蘭越町史』によると、1日の乗車人員は約50名でした。
1981年度の1日平均乗降客数は1人でした。

駅周辺

開業当時から鉄道関係者以外の来訪がほとんどない地域でした。駅周辺には国道5号（羊蹄国道）が通り、観音山や幌内山がそびえています。

隣の駅

函館本線
熱郛駅
目名駅

ひっそりと山の中に佇み、短い生涯を終えた上目名駅。その痕跡は、今も静かに眠っているのかもしれません。

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