上赤坂城

上赤坂城：楠木正成ゆかりの城

上赤坂城は、大阪府南河内郡千早赤阪村上赤阪に位置する日本の城で、別名「楠木城」とも呼ばれています。また、小根田城や桐山城といった異名も持ち、楠木七城の一つとして知られています。この城跡は、「楠木城跡（上赤阪城跡）」として国の史跡に指定されており、その歴史的価値が認められています。

概要と沿革

上赤坂城は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した楠木正成の本城でした。昭和9年（1934年）3月13日には、国の史跡として正式に指定されています。現在、城跡には等高線に沿った横堀や曲輪といった遺構が残っており、これらは戦国時代に改修されたものと考えられています。

歴史

上赤坂城は、元弘の乱において重要な役割を果たしました。元弘2年（1332年）に楠木正成が再挙兵した後、この城は楠木氏の拠点の一つとなり、幕府軍に対抗しました。元弘3年/正慶2年2月22日（1333年3月8日）には、上赤坂城の戦いが発生し、楠木正成の弟である楠木正季らが、鎌倉幕府軍と激戦を繰り広げました。この戦いでは、阿蘇治時、長崎高貞、結城親光といった幕府側の武将が参戦しています。

閏2月1日（3月17日）に上赤坂城は最終的に落城しましたが、幕府軍に大きな損害を与え、その後の千早城の戦いと合わせて、元弘の乱における後醍醐天皇側の勝利に大きく貢献しました。

上赤坂城の周辺には、下赤坂城をはじめ、猫路山城、国見山城、枡形城などの出城が築かれ、赤坂城塞群を形成していました。これらの城塞群は、南北朝時代にも南朝方の拠点として機能しましたが、延文5年/正平15年（1360年）には北朝方の手に落ちました。

近現代

上赤坂城は、近現代においても歴史的な注目を集めています。大正6年（1917年）5月11日には、皇太子裕仁親王（後の昭和天皇）が行啓されました。また、大正12年（1923年）5月25日には秩父宮雍仁親王が、昭和3年（1928年）4月9日には久邇宮邦彦王がそれぞれ当地を訪れています。

まとめ

上赤坂城は、楠木正成の居城としての歴史的価値に加え、元弘の乱における重要な戦いの舞台となった場所です。現在も残る遺構は、当時の様子を偲ばせる貴重なものであり、多くの歴史ファンや研究者にとって興味深い場所となっています。

参考文献

楠学団史編纂委員部『楠学団史』青年楠学団、1936年。
『日本史広辞典』 日本史広辞典編集委員会編、山川出版社、1997年。ISBN 978-4634620100。

関連項目

上赤坂城の戦い
下赤坂城
千早赤阪村立郷土資料館
楠木七城

外部リンク

* 全国遺跡報告総覧　奈良文化財研究所（上赤阪城）

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