上辻修

上辻 修（うえつじ おさむ）

1948年7月15日、大阪府に生まれた上辻修は、プロ野球の世界で投手として活動した人物です。左腕から繰り出されるアンダースローが特徴でした。

大阪市立西商業高校を卒業後、社会人野球の強豪、商船港運で野球を続けました。その実力が認められ、1969年末にはドラフト外で阪神タイガースへの入団を果たします。

プロ入り当初、背番号は「46」（1970年）を与えられ、翌年からは「56」（1971年〜1974年）に変更となりました。タイガースでの最初の数年間は、主に二軍での調整が続きましたが、入団から3年目の1972年に待望の一軍公式戦初登板の機会を得ます。10月14日、東京スタジアムで行われたヤクルトアトムズとの試合で、救援投手としてマウンドに上がりました。しかし、この登板は2イニングを投げ3失点という内容で、その後再び二軍生活に戻ることとなりました。5年目の1974年にも一度だけ一軍のマウンドに立ちましたが、前回と同様に結果を残すことはできず、この年のオフにチームを離れることになります。

1974年のシーズン終了後、上辻は大型トレードの一員としてロッテオリオンズへ移籍しました。このトレードは、阪神から上辻、鈴木皖武、小川清一、森山正義、平山英雄がオリオンズへ、オリオンズから池辺巌、井上圭一がタイガースへ移るというものでした。ロッテ移籍に伴い、背番号は「41」（1975年〜1976年）に変更。しかし、オリオンズ在籍期間中も一軍での登板機会には恵まれず、目立った活躍はできませんでした。

ロッテを自由契約となった後、1976年末に今度は読売ジャイアンツへと活躍の場を移します。ジャイアンツでは背番号を「83」（1977年〜1978年）、「87」（1979年）、「92」（1980年）と変更しながら在籍しましたが、選手として公式戦のマウンドに立つことはほとんどなく、主に打撃投手としてチームの練習を支える役割を担いました。そして、1980年シーズンをもって現役生活に区切りをつけ、引退しました。

プロ野球選手としての選手登録は1980年で終了しましたが、上辻の野球人生はそこで終わりませんでした。引退翌年の1981年からは、古巣である阪神タイガースに戻り、打撃専任投手としてチームをサポートします。打撃投手としての背番号は「94」を使用し、1987年までのおよそ7年間、タイガースの打撃陣強化に貢献しました。

現役時代はアンダースローの投手として、タイガース、オリオンズ、ジャイアンツと3球団を渡り歩きましたが、通算の公式戦登板はごくわずかであり、選手として大きな実績を残すまでには至りませんでした。しかし、選手引退後は長きにわたり打撃投手としてチームを支え、プロ野球の世界でその経験を活かしました。

趣味は麻雀であったと伝えられています。彼のプロ野球におけるキャリアは、華々しいものではなかったかもしれませんが、裏方としてチームを支えた重要な存在であったと言えるでしょう。プロ選手としてだけでなく、打撃投手としての長い経験も、彼の野球人生を彩る貴重な時間でした。

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