上迫博仁

上迫 博仁（うえさこ ひろと）

上迫 博仁は、1987年5月3日に静岡県沼津市で生まれた日本の男性総合格闘家、スポーツインストラクターであり、自身のジム「NICE BAD GYM」を主宰しています。卓越した身体能力と粘り強いファイトスタイルで知られ、DEEPフェザー級の第7代王者としてその名を刻んでいます。

アマチュア時代からプロデビューへ

幼少期より空手、柔道、レスリングといった様々な格闘技に触れて育ちました。特にレスリングでは才能を発揮し、専修大学在学中の2009年には、全日本学生レスリング選手権大会のグレコローマンスタイル74kg級で3位入賞という輝かしい実績を残しています。このアマチュア時代に培った技術と経験が、その後の総合格闘技キャリアの礎となりました。

プロ総合格闘家としてのキャリアは、2012年1月29日に行われた「DEEP富士山祭り」で幕を開けました。プロ転向後も順調にキャリアを積み重ね、2013年にはDEEPフューチャーキングトーナメント2013のライト級で優勝を果たし、将来を嘱望される存在となります。2015年には、UFCとの連携企画である「Road to UFC: Japan」の出場選手に選ばれるという大きなチャンスを掴みましたが、残念ながら練習中の負傷によりトーナメントへの参加を断念せざるを得ませんでした。

DEEP王座獲得

負傷からの復帰後、上迫選手は再びDEEPのリングで存在感を示します。2017年7月15日、DEEP Cage Impact 2017 後楽園大会で開催されたDEEPフェザー級王座決定戦で石司晃一選手と対戦。この一戦で、上迫選手は冷静かつ的確な攻撃を見せ、強烈なサッカーボールキックによる鮮やかなKO勝利を収めました。この勝利により、上迫 博仁は第7代DEEPフェザー級王者に就き、キャリアにおける重要なタイトルを獲得しました。

RIZIN参戦とその後の戦い

DEEP王者としての実績を背景に、2019年には日本のメジャーイベントであるRIZINへの参戦を果たします。同年8月18日のRIZIN.18での初戦では、後にBellatorで目覚ましい活躍を見せるイーブス・ランドゥー選手と対戦。ランドゥー選手のタックルに対し、カウンターの膝蹴りを効果的に当ててテイクダウンを奪い、バックマウントからの怒涛のパンチ連打で2ラウンドTKO勝利を飾り、RIZINファンに強い印象を与えました。

しかし、続くRIZINでの戦いは厳しいものとなります。2019年10月12日のRIZIN.19、RIZINライト級GP1回戦でルイス・グスタボ選手と対戦した際には、1ラウンドにパンチを受けてダウンした際に瞼を深くカット。出血が止まらず、ドクターストップによるTKO負けという不本意な結果に終わりました。さらに、同年12月29日のBELLATOR JAPAN内RIZIN提供試合で矢地祐介選手と対戦。試合を優位に進めていたものの、3ラウンド終了間際にダウンを奪われ、サッカーボールキックによるTKO負けを喫しました。

RIZINでの連敗を経て、再びDEEPのリングに戻った上迫選手は、2023年5月7日のDEEP 113 IMPACTでDEEPライト級タイトルマッチに挑戦。王者である大原樹理選手と対戦し、互いに譲らない接戦を繰り広げましたが、結果は2-3のスプリット判定での敗北となり、二階級制覇は叶いませんでした。

獲得タイトル

DEEPフューチャーキングトーナメント ライト級 優勝（2013年）
第7代DEEPフェザー級王座（2017年）

上迫博仁は、レスリング仕込みの粘り強さとパンチ、キックを織り交ぜたアグレッシブなファイトスタイルで、長年にわたり日本の総合格闘技界で活躍を続けています。自身のジム経営と並行して、現在も選手として精力的に活動を続けています。

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