上野運輸区

上野運輸区について

上野運輸区は、かつて東日本旅客鉄道（JR東日本）の首都圏本部に所属していた運転士や車掌たちが活動していた組織です。この運輸区は、2024年9月30日をもって廃止され、その後は新たに上野統括センター上野乗務ユニットが設立されました。

運輸区の役割と乗務範囲

上野運輸区は、特に上野発着の特急列車の運行において重要な役割を果たしてきました。東北や信越地域の主要都市へ向かう行路も担当し、動脈としての役割を果たしていました。しかし、新幹線の開業に伴い、特急列車の運行は減少し、今回の整理に至ることとなりました。現代では、常磐線の特急「ひたち」や「ときわ」をはじめ、湘南新宿ライン、宇都宮線、高崎線、さらに常磐線の中距離電車などの普通列車にも乗務している状況です。

乗務範囲の詳細

上野運輸区での乗務範囲は広範囲にわたります。具体的には、以下の路線を担当していました：

• - 常磐線：東京～勝田間
• - 宇都宮線：東京～宇都宮間
• - 高崎線：東京～高崎間（運転士は籠原まで）
• - 東海道線：東京〜品川間（常磐線、宇都宮線、高崎線からの直通列車、いわゆる上野東京ラインのみ）
• - 湘南新宿ライン：新宿～宇都宮・高崎間
• - 武蔵野線：西船橋～府中本町間
• - 武蔵野貨物線：武蔵浦和、西浦和～大宮、府中本町～鶴見間
• - 京葉線：新習志野～西船橋間（OM検査入場のみ）

これらの路線を使用することで、上野運輸区は上野地域の交通網を支える重要な役割を担っていました。

歴史的経緯

上野運輸区は、1982年に設立された大宮新幹線支区から始まります。これは、東北・上越新幹線の大宮開業に伴い設置されたものであり、当初は東海道新幹線を担当していた東京車掌所から要員が派遣されていました。

1985年には、東北新幹線上野開業に際して大宮新幹線支区が上野車掌区に統合され、1991年には東北新幹線東京開業に伴い、丸の内車掌区へ新幹線の行路が移管されました。こうした歴史を経て、2022年には上野車掌区と上野運転区が廃止されると共に、新たに上野運輸区が設立されました。

最後に、2024年10月1日、上野営業統括センターと上野運輸区が統合され、上野統括センターが新たに発足することとなりました。この出来事によって、上野運輸区は正式に歴史の一部となります。

まとめ

上野運輸区の歴史は、地域の鉄道輸送の発展に寄与してきた重要な組織を物語っています。乗務員たちは、長年にわたり多くの旅客の移動を支え、様々な形で地域交通に貢献してきました。しかし、新しい時代に向けた統合の流れにより、その役割を終えたことは、鉄道の変遷を示す一例となります。

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