上野都市ガス

上野都市ガス株式会社

上野都市ガス株式会社は、三重県伊賀市に本社を構え、地域に根差した都市ガス供給事業者として、約1万世帯の生活を支えています。親会社である上野ガス株式会社はプロパンガス事業を主力としており、その傘下で都市ガス事業を展開するという、国内でも珍しい形態をとっています。

歴史

その歴史は、1926年に木津平一郎氏の発案に端を発します。地元の有志6名が集まり、ガス事業開始に向けた協議が始まりました。民主的な株主構成を目指し、当時の上野町（現在の伊賀市）の住民4,200世帯のうち、272人からの出資を募ることに成功しました。

1927年6月には、親会社となる上野瓦斯が設立されました。しかし、資本金20万円のうち1/3が未払いという状況からのスタートでした。開業から2年後には供給世帯が1,000戸を超えるも、その後2年間で800戸台まで減少するという苦難も経験しました。

1937年には、資本金を15万円に減資するという決断を迫られました。しかし、1945年には資本金15万円が全額払い込まれ、経営基盤の安定化を図りました。1948年頃から石炭の供給が安定し始め、都市ガス事業は徐々に軌道に乗り始めました。

1963年には、都市ガスの原料を石炭から石油へと転換しました。その後、上野瓦斯はプロパンガスの供給を事業の中心とするようになりました。1981年、当時の通商産業省（現経済産業省）の指導により、プロパンガス事業を上野ガスとして、都市ガス事業を上野都市ガスとして分社化しました。

1995年、都市ガスの天然ガス転換が難航する中、創業者の孫である木津龍平氏がトヨタ自動車から上野ガスに呼び戻されました。彼の指導のもと、1997年にはゆめぽりす伊賀に天然ガスプラントが建設され、1998年8月、都市ガスの天然ガスへの転換を完了しました。

特徴

上野都市ガスの特徴は、以下の点が挙げられます。

地域密着型の経営：伊賀市に根ざし、地域住民の生活を支えることを第一に考えています。
親会社との連携：プロパンガス事業を主体とする上野ガスとの連携により、エネルギー供給の安定化を図っています。
天然ガスへの転換：環境負荷の低減と、より安全で効率的なエネルギー供給を目指しています。

今後の展望

上野都市ガスは、今後も地域社会に貢献できる企業として、安定的な都市ガス供給を継続するとともに、環境に配慮したエネルギー利用の促進、顧客サービスの向上に努めていくことが期待されます。

参考文献

山口正康『炎の産業「都市ガス」 -進化するクリーンエネルギーのすべて』エネルギーフォーラム、2009年。ISBN 978-4-88555-363-9。

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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