上野陽一

上野陽一について

上野陽一（うえの よういち）は、1883年10月28日に東京で生まれ、1957年10月15日に亡くなった日本の経営学者および産業心理学者です。彼は、日本における経営学の発展に大きく寄与し、特に科学的管理法の普及において重要な役割を果たしました。その業績から「能率の父」と呼ばれるようになりました。

経歴

上野は東京大学で心理学を学び、1908年に卒業しました。その後、彼は産業能率や科学的管理法に関心を持ち、アメリカからのマネジメント思想を日本に導入することで産業界に革新をもたらしました。1909年には心理学通俗講話会に参加し、同年中に講演活動を始めました。

1917年には、早稲田大学で広告心理学を講義し、続いて電通広告研究会で講演を行いました。1920年には早稲田大学商科にて教員としての活動を開始し、広告心理学の教壇に立ちました。1922年からは産業能率研究所の所長として、現場実践に基づいた研究を推進しました。

1935年には日本産業能率研究所を設立し、戦時中の厳しい環境の中でも教育と研究を継続しました。1942年には日本能率学校を創設し、その理事長を務めました。学校の設立は、上野が掲げる「能率道」を具体化する場として機能しました。

戦後の活動

第二次世界大戦後、上野は人事院の人事官として公務員制度の確立に貢献しました。また、1950年には産業能率短期大学を設立し、経営学の専門家としての地位を確立しました。彼は多くの著書や論文を発表し、心理学や経営学の分野で重要な理論的基盤を築きました。

著書と影響

上野の著作には、1918年の「商業心理講話」や1927年の「産業能率概論」などがあり、彼の考え方が産業界にどのような影響を与えたかを知る手がかりとなります。また、彼は商業活動における心理学の重要性を説き、多くの経営者やビジネスマンに新たな視点を提供しました。

最後に

上野陽一は、学問だけでなく、社会や産業へも多大な影響を与えた思想家であり、彼の業績は今日の経営学や産業心理学の発展に今も大きく寄与しています。彼は1957年に亡くなりましたが、その思想は今でも多くの場面で受け継がれています。彼の墓所は文京区の養昌寺にあります。

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