上野雄一

上野 雄一

上野雄一氏は、日本の地方公務員であり、技術士、防災士、地すべり防止工事士といった専門資格を持つ人物です。東京都の都市整備分野で重要な役割を担う役職を数多く経験した後、現在は豊島区副区長として自治体行政に携わっています。

経歴

埼玉県に生まれた上野氏は、1986年に千葉大学大学院工学研究科を修了しました。同年、東京都に入庁し、初期キャリアを都市計画局防災計画部防災計画課でスタートさせ、防災分野における専門性の礎を築きました。

東京都庁でのキャリアの中で、一時品川区まちづくり事業部都市開発課長などを務め、区レベルでの都市開発や景観形成に携わった経験も有しています。その後、東京都都市整備局に戻り、都市づくり政策部開発計画推進担当課長（統括課長）、土地利用計画課長（統括課長）といった要職を歴任し、東京都における大規模開発や土地利用に関する計画策定に従事しました。

さらに、再編利活用推進担当部長、市街地建築部長、都営住宅経営部長など、都市整備局内の多様な分野で部長職を経験し、幅広い政策領域における経験を積み重ねました。都市づくり政策部長を経て、2016年には東京都都市整備局技監に就任。同年、東京都オリンピック・パラリンピック準備局技監も兼務し、2020年東京大会に向けた都市インフラ整備においても技術行政のトップとして貢献しました。

2017年からは東京都都市整備局技監として東京都の都市政策を技術面から主導。2020年には、東京都技監に加え、東京都都市整備局長を兼任するという重要なポストに就きました。この時期、首都圏新都市鉄道、東京臨海高速鉄道、多摩都市モノレールといった都内主要鉄道会社の取締役も務め、交通インフラ分野との連携強化にも力を注ぎました。また、東京都技術会議座長や関越自動車道整備促進同盟会副会長など、技術行政や広域的なインフラ整備推進においても指導的な役割を果たしました。

東京都の公職を離れた後、2022年には東京都職員信用組合理事長を務め、組織運営に携わりました。そして、2023年からは豊島区の副区長に就任し、これまでの豊富な経験と専門知識を活かし、基礎自治体の行政運営に貢献しています。

また、東京都での公務と並行して、日本建築センター評議員や斜面防災対策技術協会関東支部長など、専門分野における外部団体の役職も歴任し、技術の発展や普及にも尽力しました。

人物・専門性

上野氏は、東京都での約30年以上にわたるキャリアを通じて、都市計画、都市開発、防災、建築行政、住宅政策、インフラ整備など、都市の機能維持・発展に不可欠な多岐にわたる分野で深い知見と実務経験を培ってきました。特に、キャリア初期の防災計画への関与から始まり、都市整備局の要職を経て東京都技監、局長という技術行政のトップに立った経緯は、氏が一貫して都市の安全・安心と持続可能な発展に貢献してきた軌跡を示しています。

専門資格としては、高い専門性を示す技術士（建設部門、総合技術監理部門）を有しており、技術的な視点からの政策立案やプロジェクト管理能力の高さが証明されています。加えて、防災士、地すべり防止工事士、RMO認定災害コーディネーターといった資格は、防災・減災への強い意識と、災害発生時の対応における実践的な能力を有していることを裏付けています。これらの資格と、東京都での長年の実務経験に基づき、都市の防災力強化、インフラの安全性向上、斜面災害対策など、専門的な技術が求められる分野で重要な役割を担ってきました。

東京都の主要な都市政策の決定過程に深く関与し、特に技監や局長として技術行政全体の舵取りを行った経験は、氏の専門性とリーダーシップを示すものです。現在は豊島区副区長として、これまでの東京都での経験と培った専門性を活かし、豊島区のまちづくりや行政課題の解決に向けて貢献しています。

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