上長苗代村

上長苗代村（かみながなわしろむら）は、明治時代から昭和時代にかけて青森県に存在した村です。現在の八戸市の一部にあたります。

歴史

1889年（明治22年）4月1日の町村制施行により、尻内村、根岸村、大仏村、花崎村、根市村が合併し、上長苗代村が誕生しました。村名は、この地域が古くから苗代に適した土地であったことに由来すると考えられます。

1891年（明治24年）9月1日には、村内に日本鉄道青森線（後の国鉄→JR東北本線、現在の青い森鉄道青い森鉄道線）の尻内駅（現在の八戸駅）が開業しました。この駅の開業は、村の発展に大きく貢献し、地域住民の交通の便が向上しただけでなく、物資の輸送も活発化しました。

しかし、1955年（昭和30年）4月1日、上長苗代村は八戸市に編入され、その歴史に幕を閉じました。この合併は、市町村合併促進法に基づくもので、周辺の町村とともに八戸市に編入されることとなりました。

合併時点の施設

八戸市との合併時点では、以下の施設が存在していました。

国鉄・南部鉄道 尻内駅：村の玄関口として、人や物の流れを支えていました。
尻内郵便局：郵便、貯金、為替などのサービスを提供し、地域住民の生活を支えていました。
三条小学校：村の子どもたちの教育を担っていました。
三条中学校：小学校卒業後の子どもたちが通う中学校でした。

現在

上長苗代村は八戸市の一部となり、その名前は行政区画としては残っていません。しかし、かつて上長苗代村であった地域には、八戸駅周辺の市街地が広がり、住宅地や商業施設が立ち並んでいます。また、三条小学校や三条中学校は現在も存続し、地域の子どもたちの教育を担っています。この地域を訪れると、駅周辺の賑わいの中に、かつて村として存在した上長苗代村の面影を感じることができます。

参考文献

『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。
『東奥年鑑』（東奥日報社）1953年版。

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