青い森鉄道

青い森鉄道株式会社について

青い森鉄道株式会社（あおいもりてつどう）は、青森県青森市に本社を構える鉄道事業者です。この会社は、第三セクター方式で運営されており、地域の交通を支える重要な役割を担っています。2002年12月1日に開業し、東北新幹線の開業に伴い、東日本旅客鉄道（JR東日本）から経営分離された並行在来線を継承しました。具体的には、東北本線の盛岡から青森のうち青森県内の区間を青い森鉄道線として運営しています。

経営と運営方式

青い森鉄道は、独自に運営を行うために、青森県が保有する鉄道施設を利用しており、利用する権利を取得しています。この「上下分離方式」を採用している点が特徴で、日本の第三セクター鉄道の中でも先駆的な取り組みです。また、青い森鉄道は日本民営鉄道協会に加盟している唯一の第三セクター鉄道会社でもあります。

かつて八戸市に本社があったが、2010年に新幹線全線開業を控え、青森市に移転しました。当初は赤字運営が懸念されていましたが、青森県との協力による利用者の増加や経営努力のおかげで、2017年度から2020年の新型コロナウイルス流行までの間に完全な黒字化を達成しました。特に、青森市内の駅では乗降客数が増加しており、2011年度の6,794人から2017年度の11,654人へと約72%の増加が見られました。これは、需要に基づく増便や新駅の設置、周辺のリソースの活用に寄与した結果と言えます。

今後の展望

今後は、青森操車場跡地に新駅（予定2025年開業、予想1日平均乗降人員1,392人）およびアリーナが設置される計画があり、さらなる利用者増加が見込まれています。また、青い森鉄道線は、他の鉄道会社と連携しながら地域振興にも寄与する取り組みを強化しています。

歴史的な背景

青い森鉄道が設立された背景には、1990年の政府・与党の申し合わせがあり、並行在来線は新幹線開業時にJRから経営分離する旨が確認されました。1991年には青森県知事がJRの経営分離に同意し、1996年には政府・与党で合意が成立しました。1999年には青森県が、八戸以北の沿線市町村と協議の上、経営分離に同意しました。

青い森鉄道の設立総会は2001年に開催され、2002年に正式に設立されました。同年の12月1日に目時駅から八戸駅間が開業し、その後も設備や運営体制を整えながら順次サービスを展開してきました。2010年12月4日には八戸駅から青森駅までの区間が開業し、全線が開通しました。特に、最近の数年間では、地域との連携を深めた様々な取り組みが評価されています。

車両と運行体制

青い森鉄道の運行には、JR東日本から譲り受けた車両が使用されています。701系およびE721系に準じた仕様の車両が主力で、利用者の便宜を図るため、ワンマン運転を行っており、乗客は便利でスムーズな移動が可能です。また、青い森703系という新型車両も導入されており、利便性の向上が図られています。

まとめ

青い森鉄道は、地域の交通機関としての責任を果たしつつ、経営の健全化を進めることで地域振興にも繋がっています。多様な施策を通じて、今後も利用者のニーズに応え続けることが期待されています。

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