下の月駅

夕張鉄道 下の月駅（廃駅）

下の月駅は、かつて北海道江別市東野幌の地に設けられていた、夕張鉄道線の駅でした。開業からわずか15年という短い期間でその役目を終え、現在は廃駅となっています。

駅の構造

この駅は、単式ホームを一面だけ備えた、線路一本の地上駅でした。利用者の少ない地域に位置していたため、駅員は配置されない無人駅として運用されていました。ホームは、列車が野幌方面へと向かう線路の右手側、すなわち東側に設けられており、その中央部分には昇降のための階段が設置されていました。また、ホームと並行して走る道路の近くには、待合室が設けられ、利用者はそこで列車を待つことができました。

歴史

下の月駅の歴史は、1959年（昭和34年）4月1日に始まります。この日、夕張鉄道線の駅として開業しました。しかし、周囲の環境の変化や路線の合理化といった要因により、その歴史は長く続きませんでした。開業から15年後の1974年（昭和49年）10月1日をもって、下の月駅は廃止され、その姿を消しました。

駅名の由来

「下の月」という特徴的な駅名は、アイヌ語に由来しています。その源泉は「ノッケ」という言葉で、これは「岬のように山が突き出ているところ」といった地形を表す意味を持っています。具体的には、駅が位置していた江別市を流れる千歳川（かつては江別川とも呼ばれました）が大きく曲がることで、陸地が半島のように突き出している地形を指していました。

明治時代になり、野幌原野の開拓が進められる中で、北越殖民社がこの地に農場を開設しました。この時、千歳川流域の突き出した一帯を便宜上、三つの区域に分けました。そして、「ノッケ」という音に対して「～の月」という漢字を当てはめ、川の上流側（南）から順番に「上の月」「中の月」「下の月」と名付けられたのです。下の月駅は、この区分けの中で最も下流側に位置する地域に設けられたことから、この地名が駅名として採用されました。

駅周辺

駅が開設された当時は、その周辺には数軒の農家がある程度で、閑静な農村地帯でした。駅の廃止後、鉄道の痕跡は失われましたが、現在もその名前は夕鉄バスの「下の月」停留所として残されており、かつてここに駅があったことを今に伝えています。

隣接駅

夕張鉄道線における下の月駅は、以下の駅間に位置していました。

• - 上江別駅 - 下の月駅 - 晩翠駅

短い期間の営業でしたが、この地域の交通を担う一端を担っていました。

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