下三輪玉田谷戸横穴墓群

下三輪玉田谷戸横穴墓群について

下三輪玉田谷戸横穴墓群は、東京都町田市三輪町に位置する古墳時代後期から飛鳥時代にかけて造られた横穴墓群です。この地域は東京都の指定史跡にも選定されています。東京と神奈川の境を成す多摩丘陵には、流れの形成過程で幾重にも分かれた谷戸地形が数多く存在し、これらの谷戸の斜面には多くの横穴墓が作られてきました。

地理的背景

下三輪玉田谷戸横穴墓群は、川崎市麻生区の上麻生や下麻生地域から町田市の三輪町、および能ヶ谷地域に至る一帯に位置しています。この地域は複雑な地形を広げており、丘陵から谷戸にかけての岩盤斜面で数々の横穴墓が造られました。周囲には三輪白坂横穴墓群や西谷戸横穴墓群などの他の横穴墓群も存在します。さらに 東方に位置する横浜市青葉区の寺家町には寺家古墳群に付属する横穴墓も確認されています。

史跡の発見と特徴

この横穴墓群は1927年に発見され、これまでに4つの墓が確認されています。これらは6世紀末から7世紀初頭にかけて造営されたとされています。その中でも特に注目すべきは、1号墓と3号墓です。これらは「家形玄室」と呼ばれる特殊な構造を持ち、三角形の天井部分には浮き彫りで切妻造の屋根を模したデザインが施されています。このような形状は全国的にも珍しいものであり、周辺地域では神奈川県横浜市青葉区にある荏子田横穴がその一例として知られています。

現在の状況

下三輪玉田谷戸横穴墓群は2008年に東京都の指定史跡となり、保護のためにフェンスで囲まれています。しかし、見学用の道は整備されていないため、訪れる際には注意が必要です。古代の墓地としての重要性から、地域の文化財として位置づけられている本横穴墓群は、歴史を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

参考文献

• - 東京遺跡散策会「西谷戸横穴墓群」『関東・甲信越日本の古代遺跡案内 : 旧石器～平安時代の歴史を紐解く』メイツユニバーサルコンテンツ、2022年。
• - 横浜市緑区「寺家町所在の横穴」『横浜緑区史』、1985年。

関連項目

• - 妙福寺
• - 西谷戸横穴墓群
• - 三輪白坂横穴墓群

外部リンク

• - 三輪・能ヶ谷の横穴墓群（町田市公式ホームページ）
• - 町田市ウォーキングマップ（町田市公式ホームページ）

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