下呂温泉合掌村

下呂温泉合掌村

下呂温泉合掌村は、岐阜県下呂市森にある、飛騨地方の生活文化を体験できる野外博物館です。下呂温泉の中でも最大規模の観光施設として知られています。村内は、「合掌の里」と「歳時記の森」の二つのエリアに分かれており、それぞれ異なる魅力を持っています。

合掌の里

「合掌の里」には、白川郷や五箇山から移築された10棟の合掌造りの家屋が点在しています。中でも、重要文化財に指定されている「旧大戸家住宅」は、その規模の大きさと建築美で訪れる人々を魅了します。釘を一切使わず、縄やネソで木材を固定して造られたこの家屋は、当時の技術の高さを物語っています。また、飛騨地方の民具の展示も行われており、当時の生活様式を垣間見ることができます。

主な合掌造り家屋

旧大戸家住宅: 合掌造りとしては最大級の規模を誇り、衆議院議員の平沢勝栄氏の生家でもあります。
旧伊並家: 現在は合掌茶屋として利用されており、食事を楽しむことができます。
旧岩崎家: 国の登録有形文化財に指定されており、民俗資料館として利用されています。
旧遠山家板倉: こちらも国の登録有形文化財で、養蚕農家の建築様式を伝えています。
旧大溝家: 入場口や売店として利用されています。

その他の施設

円空館: 市内の神社や個人所有の円空仏が展示されています。
斐騨陶房: 陶芸や陶器の絵付け、手びねりなどの体験ができます。
漉倉: 和紙を使った絵漉き体験ができます。
市倉: 下呂地方の食事が楽しめる食事処です。
合掌の足湯: 散策の合間に足湯でリラックスできます。

歳時記の森

山手にある「歳時記の森」は、下呂地方の里山を再現したエリアです。春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉と、四季折々の自然を楽しむことができます。「萬古庵」では、美しい景色を眺めながら下呂の味覚を堪能できます。また、下呂地方の民家である「益田造り」の古民家風の建物も特徴的です。

影絵昔話館「しらさぎ座」

かつては、日本で唯一の常設影絵劇場として、「しらさぎ座」がありました。ここでは、下呂に伝わる伝説や昔話を影絵劇で上演していました。特に、下呂温泉発見の伝説である「しらさぎ伝説」は人気があり、多くの観光客を魅了しました。劇団かかし座によって制作された影絵劇は、ノスタルジックでありながらも現代的な演出が施され、子供から大人まで楽しめる内容でした。現在は公演を終了していますが、その歴史は今も語り継がれています。

過去の演目

「しらさぎ伝説」
「お美津ギツネ」
「力持ち小太郎」
「孝子が池」
「祖師野丸」
「八百比丘尼」

歴史

1963年（昭和38年）: 飛騨郷土館として開館。
1969年（昭和44年）: 下呂温泉合掌村に改称。
1996年（平成8年）: 竹原文楽の公演が終了。
2008年（平成20年）: 影絵昔話館「しらさぎ座」の公演を開始。
2010年（平成22年）: 歳時記の森が竣工。
2010年（平成22年）: 旧岩崎家住宅、旧遠山家住宅板倉が国の登録有形文化財に登録。

基本情報

営業時間: 8時30分 - 17時00分
休館日: 無休
入場料: 大人（高校生以上）800円、小中学生400円
その他施設: 森の滑り台（175m）1回100円

アクセス

住所: 岐阜県下呂市森2369番地
JR高山本線 下呂駅より約1.5km
* 濃飛バス「下呂温泉病院行き」に乗車、「合掌の里」バス停下車

不祥事

2020年、下呂温泉合掌村で多額の使途不明金が発覚し、大きな問題となりました。この問題は、地方公営企業会計の知識不足や、ずさんな会計処理が原因で起こったものであり、市の職員による内部調査の結果、約2億6500万円もの使途不明金が確認されました。この事件は、下呂市の行政運営における重大な問題点を露呈し、再発防止策の徹底が求められています。

下呂温泉合掌村は、歴史と文化、自然が調和した魅力的な観光施設です。ぜひ一度訪れて、飛騨の魅力を感じてください。

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