下坂守

下坂 守（しもさか まもる）

1948年に生まれた下坂守は、日本を代表する歴史学者であり、日本中世史を専門としています。石川県金沢市が出身地であり、彼の研究は日本の歴史理解に大きな貢献をしています。現在、京都国立博物館の名誉館員として、その知識と経験を活かしています。

学歴と経歴

下坂氏は大谷大学の大学院修士課程を修了し、最初は大津市史編纂室で勤務しました。1980年からは京都国立博物館に学芸員として勤め始め、学芸課長、そして2003年には文化庁文化財部美術学芸課長に就任しました。さらに2006年からは帝塚山大学人文科学部の日本文化学科教授に就任。その後、奈良大学文学部史学科でも教授として活躍しています。また、立命館大学からは文学博士の称号を取得しており、博士論文のテーマは「中世寺院社会の研究」で、これは彼の専門分野に直結しています。

主要著作

下坂守の著書には、歴史学の研究成果だけでなく、広く一般向けにも発信する作品が数多くあります。1993年には『参詣曼荼羅』を発行し、この作品では中世の信仰や宗教的慣習について詳しく探求しています。さらに、2001年には重要な研究成果として『中世寺院社会の研究』を発表し、寺院がどのように社会に影響を与えていたのかを考察しました。

2008年には『公家の書』を刊行し、平安時代から続く公家の文化や書の意義を解説しています。また、2011年には『京を支配する山法師たち 中世延暦寺の富と力』を著し、寺院が持つ力とその背景にある経済の構造を考察しました。2014年には『中世寺院社会と民衆　衆徒と馬借・神人・河原者』も発表、民衆文化と寺院との関係がテーマになっています。

共著・編著

彼はまた、他の学者との共著や編集も多く手掛けており、特に1994年に発行された『図説京都ルネサンス』は、京都の歴史と文化を視覚的に解説する貴重な資料となっています。2003年には『描かれた日本の中世 絵図分析論』を発表、絵図を通じて歴史を解明する手法を提唱しました。2005年には『京都の地名由来辞典』の共編を行い、地域の歴史に根ざした地名の由来を探る試みをしています。

他にも、1997年には『中世荘園絵図大成』の4巻全てを大学の後輩と共に編纂しています。これらの業績は、日本の中世の理解を深めるだけでなく、後進の学びにも大きな影響を与えています。

下坂守の豊富な知識と研究は、日本中世史の研究分野での地位を確立し、多くの学徒と研究者に影響を与え続けています。

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