下山保男

下山 保男 (しもやま やすお)

下山保男氏は1947年6月6日生まれの日本の元裁判官であり、1974年から2012年にかけて日本国内の各地方裁判所で長年にわたり活躍しました。彼のキャリアの中で、様々な重要な裁判を担当し、特に刑事事件における判決において大きな影響を与えました。

異動履歴

下山氏の司法キャリアは1974年に始まり、浦和地方裁判所の判事補からスタートしました。その後、大阪地方裁判所や千葉地方裁判所など、複数の裁判所で裁判官としての経験を積まずく、また各地域での簡易裁判所でも判事として活躍しました。
彼の着任と退任していく各裁判所の履歴は以下の通りです：

• - 1974年：浦和地方裁判所判事補
• - 1977年：大阪地方裁判所判事補
• - 1980年：千葉地方裁判所・千葉簡易裁判所佐倉支部判事補
• - 1983年：京都地方裁判所判事補
• - 1986年：秋田地方裁判所・秋田簡易裁判所大館支部長
• - 1989年：東京家庭裁判所判事
• - 1992年：富山地方裁判所・富山家庭裁判所判事
• - 1996年：東京高等裁判所判事
• - 2000年：千葉地裁部総括判事
• - 2004年：さいたま地方裁判所部総括判事
• - 2007年：高松家庭裁判所所長
• - 2008年：津地方裁判所所長
• - 2009年：名古屋高等裁判所部総括判事
• - 2012年：定年退官

主な担当裁判

下山氏は数多くの重要な裁判を担当してきました。中でも特に知られているのは、富山・長野連続女性誘拐殺人事件に関する判決です。この事件では、無罪判決を受けた元被告人に対し、国に対して刑事補償を命じる決定を行いました。

また、富山県富山市で起きた社長夫婦射殺事件の際には、主犯に死刑を、従犯に無期懲役を言い渡しました。この判決は富山地裁において非常に画期的であり、後に最高裁で確認されました。

2000年には、東京高裁でJT女性社員逆恨み殺人事件における控訴審の判決を担当し、原判決を破棄して死刑を言い渡しました。これにより、この事件の被告人はその後最高裁でも死刑が確定しました。

さらに、2011年には名古屋高裁での闇サイト殺人事件の控訴審判断を行い、こちらも重要な判決を下しました。この事件では、犯行の計画と実行の責任を考慮し、無期懲役の判断を下しています。

下山氏による法律解釈や量刑判断は、特に被害者や社会に対する影響を考えたものであり、裁判所の中でも非常に注意深いものでした。

重視された原則

下山氏の判決においては、法の精神や公平性、そして被害者の人権に対する配慮が強調され、特に厳しい犯罪に関与した被告人に対しては強い姿勢で臨みました。これが彼の裁判官としての評価に繋がっています。

定年退官後も下山氏の判決は法曹界や社会で議論され続けており、その影響は計り知れません。彼の判断基準や司法に対する姿勢が今後の日本の法学にどのように影響を与えていくのか、注目されるところです。

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